今日も、これからも。【2BRO.】 (ページ3)

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出番なしページ3

依頼を受け、4日前から計画を立てていた。
アジト内部の構造、構成人数やメンバーの名前と顔など基本的なことはもちろん、裏社会における立ち位置や権力の強さ、その他諸々と、ただ暗殺するだけであれば必要ないような情報まで集めていた。抜かりはなかった。

だから当然、今回もいつものように依頼をこなして終わり、

だったはずなんだけど。

『おかしいと思ってたんだよ...今日になってどれだけやってもハッキング出来ないし、っていうか既にハッキングされてるっぽかったし...まさか他んとこと被るとは』

そう、被った。
侵入しようとした敵の根城の窓が、銃声と共に砕け散ったのだ。ガラスの散らばり具合からしてほぼ間違いなく他の同業者の仕業だろう。

今回の依頼は【ある組織を潰してほしい】というものだった。まぁこの世界ではそういった依頼は珍しいものではない。
やれあそこのリーダーを殺せだの、やれ敵対する組をボコれだの、とりあえずそんな感じのやつ。

依頼主が私以外にも頼んでいたのか、はたまた別の誰かが違うところに依頼したのか、そんなことは今更いいんだけども、それにしたって気に食わない。

『やめてくれよな、せっかくの依頼だったのに...時間かけたのに水の泡じゃねーか...』

思わず愚痴が溢れる。
とはいえ、ハッキングできない辺りで警戒してはいたし、こういうのは早いもん勝ちみたいなところがあるため仕方ないもんは仕方ない。

暫くアジトの裏口で様子を伺いながら待機していた私は、大人しく今回の依頼から身を引くことにした。正面の方にも人の気配があったため、そいつはおそらく狙撃してきた奴と仲間だろうと踏んでのことだ。

悔しいが譲ってやるよ。

そんな意味も込めて、私は裏口の門に付いている防犯カメラを睨むようにその場を後にした。

ーーー
主人公が活躍しない...だと！？(戦慄)

お約束をぶっ壊していくスタイル。