敵?味方? ページ17
おついちさんの説明は無駄がなく且つ分かりやすかった。
おかげで理解はした。
『でも許容できません』
お「...見ちゃったから?」
『んーまぁそれはいいです。...でもそれより助けたことに対してです。別に一時手は組みましたけど、それはあくまで共通の敵がいたからであって別に味方になったわけじゃない。助ける義理はないはずですよね』
お「そうだね。確かに助ける必要はなかったかもしれない」
『じゃあなんでですか?あの場に置いていけば勝手に死んだかもしれないのに。そっちからしたら敵が減ったかもしれないのに』
お「う〜ん、そうかもしれないけどいくら味方じゃないって言っても一緒に戦ったわけだし、ほっといて死なれたら後味悪くない?」
『そういうもんですか?』
お「そういうもんだよ」
そういうもんか。
お人好しなのかな。私にはそういう考えは頭の中にないからよく分からない。
お「とりあえずご飯食べる?あなた丸一日寝てたからお腹空いてると思うんだけど」
そう言われて思わず時計を見る。現在9時半。丸一日ってことは夜か。
ていうかそんなに寝てたんか。
『...いや帰ります。大丈夫です。お手数お掛けしました』
お「どこに帰るのさ」
『どこでもいいじゃないですか』
お「僕ら君に興味あるんだよね。顔も性別も一切不明の“狐”...せっかく会えたんだ、少しくらいゆっくりしてってよ」
へらへらしているように見えてその雰囲気は有無を言わさないものがある。この人絶対怒らせちゃいけないタイプの人だ。
『...何も話すことはないですよ』
お「そう言わないでさ。とりあえずご飯食べよっか。この扉開けてすぐリビングなんだけど、歩ける?」
『いやご飯食べるなんて言ってないです』
お「ん??」
にっこり笑顔のおついちさん。「いいから行くよ?行かないなんて言わないよね?」的なオーラが出ている。
それは心配してなのか、口を割らせるためなのか。
どちらにせよ怖い。めっちゃ怖い。
『...私少食ですよ』
お「それでも治すには食べることが大事だからね!大丈夫、毒とか入ってないから」
『はー...分かりました行きます行けばいいんでしょ』
おついちさんに根負けした私は仕方なくベッドから降りようとした。
が。
『っいってぇ!!』
お「あー、やっぱ歩くのは無理そうかぁ」
身体中痛すぎる。特に太もも。
お「筋肉痛なってるし、太ももにもろ弾食らってたからね。ま、あれ僕なんだけど」
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作者名:Alice:A | 作成日時:2019年7月24日 0時