耳を、塞がないで

第27話。かっこ悪いとこしか見せてない ページ27

「…最後の、いりました？」



小突かれた額を擦りながら若干恨めしそうに憂太は真希にそう問いかける。



「甘えんな、常に実戦のつもりでやれ。罰があるのとないのとじゃ、成長速度がダンチなんだよ」


一刀両断だ。







「A、今の私、どうだった」

《かっこよかったです》





真希は客観的に見たとき、自分の体の動きはどんなものかという意味で問うたのだが、Aは即そうノートに書いて見せる。


いや、そうじゃないんだが･･･、とは真希も思ったが、それはそれとしてAに褒められるのは嬉しいので、ありがとよ、とだけ返した。






その様子を見た憂太は、うらやましいな･･･、と無意識に口に出してしまい、慌てて抑える。
そしてそれが聞こえたのか、Aにバレないようにドヤ顔をする真希。

憂太はすぐさま起き上がり、もう一本お願いします！！と真希に向かって叫んだ。



自分もかっこいいところを見せたいと思うのは、男の性だろう。







「――憂太ァ！ちょっと来い！カマン！」

「はい！はいはいはい！！」



しかし、満ち溢れた気合はパンダの一声で萎んでしまう。





神妙な顔をしているパンダに近づき、心して聞け、と言われる。
戦闘面のアドバイスかと真剣に聞こうとする憂太に、特大の爆弾が放り込まれた。







「お前――巨乳派？微乳派？」


「今！？」

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