第22話。友達優先は当たり前 ページ22
「お願い…こいつ、死にそうなんだ…」
恐らく、彼らは行方不明になっていた少年。
片方の少年は友人を支えながら、涙ぐみながら訴える。
「よかった、生きてた…」
「よくねぇよ、ちゃんと見ろ」
胸をなでおろした憂太と、眉間にシワを寄せた真希。
「デカい方も完全に呪いにあてられてる。二人とも、いつ死んでもおかしくねぇ」
「そんな、どうすれば、」
「どうにも!助けを待つしかねぇよ!
誰もがお前みたいに呪いに耐性があるわけじゃねーんだよ」
真希は立っていられなくなり、そのまま座り込む。
息をするたびに、体の中に呪いが入り込む。肺の中を好き勝手に暴れられているような気持ちの悪さがつきまとう。
「禪院さん!?」
Aは真希と子どもたちに近寄り、優しく抱きしめる。
そしてAの呪いが彼女等を覆う。
「――大丈夫、ですよ。ちゃんと、助かります」
その優しく落ち着いた声に、子どもたちは安心する。
しかし真希は突然Aのスカートを捲った。
「ちょっ、ぜんい――」
「――おまえ、やっぱ怪我してんじゃねえか」
憂太はAの足を見て仰天する。
白く柔い脚には、ざっくりと切り開かれている。
傷口から次々に呪いが侵入し、赤紫に変色している。
「私に”呪い”は必要ねえ。自分の身ぃ守るために使え!」
呪いに耐性のない真希と子どもたちは、呪いに障らないようにAの”呪い”に守られていた。
当然その分、Aの呪いの進行度は早まる。
しかしAは軽く首を振る。
その、意志の強い瞳を見て真希は諦めた。こうと言ったら聞かないのだ。
Aは額に大粒の汗を流し、肩で息をする。
真希たちに助かってほしいのは事実だが、かなり辛いのは事実だ。
耐えきれなくなり、真希にもたれかかるように座る。
すると、子供特有の勘なのか、不安そうに少年が言葉をこぼす。
「お姉ちゃん・・・、し、死なないで・・・」
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紅 - ミスりました💦お返事ありがとうございます( . .)" (2023年4月15日 17時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年4月15日 17時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
愛良(プロフ) - 紅さん» 嬉しいお言葉!!ありがとうございます!!頑張って書きますね!! (2023年4月13日 18時) (レス) id: 96b6d360b2 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年4月13日 8時) (レス) @page18 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
愛良(プロフ) - みりかさん» 綺麗で読みやすいって…死ぬほど嬉しい言葉です…。でも普段は丁寧のての字もないです!嬉しいコメント、ありがとうございました! (2023年4月10日 18時) (レス) id: 96b6d360b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛良 | 作成日時:2023年4月4日 10時