4度目の人生､光と影の話｡【暗殺教室】【男主】

最大のインスピレーション ページ27

「どうしたんだい､翠月」

『無理やめてキモ｡変な前髪健在の癖に』


羂索に追い付くと笑顔を貼り付けて態とらしくそう言われた｡

こういう時は煽れって夜蛾センに教えて貰った(嘘)

俺もとびきりの笑顔を貼り付けて刀を向ける｡まぁその表情筋はココ最近動かなくなってきたからちゃんと動いているか不安だが｡


「…で??何か用かい」

『五条悟､獄門疆取りに来たって言うたそのチンケな頭でも分かるやんな』

「何をしようとしているのか分かって言っているのかな」

『もちのろん』


その返事気が抜けるんだけど､は??キマっとるやろ､と気の抜ける会話｡然しこれでよく分かった筈｡互いに譲る気は無いという事が｡

…となれば残された道は実力行使のみ｡全力で相手から奪い取り､死守する｡

それだけ｡

21歳拳で｡俺もう三十路前の28やけどな｡←


『腕上げた??』

「さぁね」


夏油は体術もイケる口で丸腰でも負ける事は殆ど無かった｡その上羂索というドーピングと新境地に踏み入れた夏油は俺でも中々｡


てか前髪なんで残してんの羂索｡

もしかしてお前もそっち側の人間か…!!()


刀から三節棍に｡と思えば今度は薙刀｡手を替え品を替え近接で攻防戦｡

刃の切っ先が羂索の心臓を捉え､突き立てる｡


ボタ､と血が塊で落ちる｡


「､ぐ…?!」

『っあﾞは､』


ビチャビチャと血溜まりが俺達の足元を濡らす｡


口を紅く染めてニヤリと笑う｡


俺とコイツの間に挟まれたいつの間にか取り込まれていたらしい低級呪霊は呪具の刃が刺さって呻き声を上げながら消えた｡

ハムスターみたいやった…(罪悪感)

じわじわと黒の服を汚す深紅｡


『時空歪めて､反撃(カウンター)……の､呪霊を挟んだんは､えぇ判断やったと､思うけどな､っ』


躊躇無く勢いで刃を抜き去ると現れる血がべっとり着いた呪具､傷口からとめどなく流れて全てを汚していく血｡

2人(・・)の血液｡

呪具を消し飛ばし､支えが無くなりグラつく足を踏ん張り地に足の裏だけを縫い付けた｡


「まさか､呪霊を貫くとは､思わなかったよ…!!だが､もう終わりだ」


羂索の手が伸びてくる｡

"死"を感じたその瞬間､今までにないインスピレーションと高揚感が俺を襲った｡

走馬灯は見えた気がしただけだった｡

死んだって良いじゃないか｡俺には自慢の生徒がいるし､仲間もいる｡なら最期くらい抗って､目の前のコイツに迷惑掛けてやろう｡





『アハハハハハ!!!!』



＿＿＿＿＿"死"は最大のインスピレーション


「翠月!!!!」

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