悪魔 ページ42
「…こんにちは」
「こんにちは、どうぞ」
次の日、朝早く。
不機嫌そうな目と顔を隠そうともせずに、玄関の前でまふまふさんは立っていた。
敵意、敵意、殺意。おー怖い怖い。
ネットでは天使だのなんだの言われてたけど、どこが天使なんだ、悪魔の間違いじゃないか。
「…そらるさんは？」
「今は寝ています。先にお話ししようかと」
「…お願いします」
リビングに悪魔を通して、椅子に座るよう促す。
「まふまふさん、紅茶とコーヒー、どっちがいいです、」
「無駄話をするつもりは毛頭ありません。本題へ入ってください」
ギラギラとした目で睨みつけられ、手に持った紅茶のパックを缶の中へ戻さざるを得ない状況へ追い込まれた。行き場のなくなったガラスのコップに麦茶を注いだものを机に置き、悪魔の目の前に俺も座った。
悪魔は俺への感情をやはり剥き出しにしたまま話し出す。
「まず、今そらるさんがどういう状態なのかについて説明してください」
「はい」
たっぷりと間をおいて、息を吸い込む。俺はわざともったいぶって話し始めることにした。
「彼は今、…記憶喪失、と呼ばれる状態にあります。…まぁ、ご存知だとは思いますが」
この悪魔がここのインターホンを鳴らした時からわかっていた。
目はかすかに赤く、俺への目には悲哀と羨望すら混じっていた。
きっとあれから調べたんだろう。彼の悪魔に対する態度や言動を照らし合わせて。
悪魔は存外、悲しい人間のようだった。
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漢女(プロフ) - すっごく面白いです!!!続きが気になるぅぅぅ！更新頑張ってください！ (2021年10月6日 20時) (
レス) @page46 id: 98465022b8 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 面白いです！更新頑張って下さい！ (2019年3月12日 10時) (レス) id: 4b7909c7a1 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - ミルクティーさん» ありがとうございます！出来る限り更新していきます！ (2018年11月23日 9時) (レス) id: cf2adda2ab (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー(プロフ) - 最近更新が多くてとても嬉しいです！こういった話が大好きな私にとっては好きすぎる作品です（） (2018年11月23日 0時) (レス) id: 8cebe82b4d (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - みつきさん» ありがとうございます！嬉しいです！ (2018年11月18日 10時) (レス) id: cf2adda2ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏多 | 作成日時：2017年12月1日 16時
