祈り�� ページ37
(土井side)
そのとき、天井裏から人の気配がした。
奥方「半助!!」
土井「はい!!」
奥方は鉄扇、私は苦無を構えた。
「サッ!」
土井「雑渡昆奈門!!」
雑渡「不躾な真似を大変失礼いたしました。土井先生、話があるんだが、少々よろしいか。」
奥方「私は外へ…」
雑渡「いいえ山田殿の奥方様、貴方にも聞いていただきたい。できれば彼女のお父上やご家族にも…」
奥方「分かりました。呼んでまいりましょう。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
雑渡「皆さんはご承知であると思いますが、彼女は３つの顔を持っています。」
新野「ええ。」
山田「しかし、ここへ来てからは安定し、まとう雰囲気も安定している。」
新野「３つの人格、今はその３つと上手く共存しつつある…」
雑渡「しかしあなた方は、アサギリの囚われた少女を、まだ知らない。」
「サッ!」
するとまた一人、天井裏から姿を表した。
「!?」
私たちは、臨戦態勢を取った。
なぜだ!?人の気配は感じなかったのに…
山田「君…もしや…」
？?「アサギリ忍軍の、九連と申す。」
土井「アサギリの人間がここに何の用だ!!!」
利吉「…姉さんに似てる…」
え…？
山田「君は、昨夜…森でこの子と対した…」
九連「はい。」
奥方「あなた、こんなところにいては抜け忍の疑いをかけられますよ？」
雑渡「その心配はありません。」
九連「琥空のことで、大切なお話があり、参りました。」
新野「琥空…？」
雑渡「私がこの子をここへ連れてきた。」
九連「琥空。彼女が…月華が、自分で考えてつけた名前です。」
九連と名乗ったその男は、ゆっくりと話し始めた。
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作者名：恋夏 | 作成日時：2022年10月1日 18時
