共闘�� ページ26
(土井side)
土井「…これで全部だな。」
利吉「はい。」
私は利吉くんと共に、香波垂時衛門殿の護衛に成りすましていた3人の忍者を始末、
その後、カワタレドキ城内に入り込んでいた密偵を全員始末した。
「土井先生、利吉殿、誠にかたじけない。」
土井「羽丹羽殿…」
竜王「羽丹羽殿…気が付かなかった儂の落ち度でもある。大変申し訳ない。」
羽丹「いいえ。竜王丸殿の配下の方々も駆けつけてくださったおかげです。」
羽丹羽武人。編入生、羽丹羽石人くんのお父上だ。
利吉「城の皆さんに被害がなくて本当に良かったです。」
武人「それでタソガレドキ城の方は…」
利吉「タソガレドキについては、忍軍の組頭が対処なさってるはずです。ご安心ください。」
土井「羽丹羽殿、私たちは一度忍術学園へ戻ります。竜王丸殿、ここはお頼みしても…」
竜王「ああ！任せなさい！」
そのとき、
「ピピピピッ！！」
土井「この鳴き声…？」
利吉「鷹幸だ！！」
利吉くんが鷹幸に向けて、右腕を差し出した。
鷹幸は、その上に舞い降りてきた。
「ピピピピッ！！」
土井「ん？私あてか？」
「コクリ」
どうやら私あてらしい。
土井「これは…密書だ。」
利吉「誰からです？」
土井「タソガレドキ城の暗号文だな…」
以前、Aさんからタソガレドキ城や、その他の城の暗号や矢羽根を教えてもらっている。
土井「忍術学園にて、戦闘状態。味方劣勢なり。即刻、戻られたし。浩然」
土井「大変だ…」
利吉「しかし土井先生。鷹幸は、姉さんの相棒ですが…元々タソガレドキ忍軍の伝書鳩…しかも浩然って…」
利吉「信用しても良いのでしょうか。」
土井「ああ大丈夫だ。すぐに加勢しよう！！」
利吉「はい。」
利吉くんの返事を合図に、私たちは木の上を飛び、走り、忍術学園へ急ぐ。
この密書は、忍術学園の決定事項。
なぜって、これはAさんからの密書で間違いないから。
私が、タソガレドキ城の暗号文を読めること、それは彼女しか知らない。
しかも、「浩然」は彼女が明で使っていた、石川と私しか知らない名。
にしても、彼女からの初めての文が、色の一つもない、ただの密書だなんて。
彼女の感情は、何一つ感じないし…
まあ喧嘩してそれっきりだもんなぁ…。
土井「必ずアサギリ軍を打破して、謝らないとな。」
利吉「姉さんからの密書でしたか。」
土井「え？」
利吉「父上から聞きました。喧嘩なさったそうですね。」
土井「山田先生め…」
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作者名：恋夏 | 作成日時：2022年10月1日 18時
