新野先生の娘は元軍医さん!？【伍】 (ページ7)

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休日任務⑥ ページ7

(夢主side)

小物屋さんに行きたい、なんて初めて口にしたわ…

店員「いらっしゃいませ！何かお探しですか？」
『っ！！』

自分のための化粧道具なんて、何年ぶりに見るのだろう…
うまく選ぶことができるのかな。

店員「まあ！ご夫婦ですか？」

土井「はい！私の妻です！」
『！？』

つ、妻！？まあ、そうよね。任務中は夫婦に見せかける方が自然だし…
でもなぜか、恥ずかしい…

店員「まあ奥様お美しいですね！」
土井「ふふっでしょう？」
『…』
土井「最近流行りの紅はありますか？」
店員「はい！」

『え！？なぜ紅が見たいと分かったんですか？』
土井「だって昨日言ってたじゃない？」

(『そういえば私っ、掃墨しか持ってない!!』)
更に恥ずかしくなり、つい顔を背けてしまった。

店員「夏に近づいているので、こういう橙色に近い桃色が流行りですよ！」

そう言って、店員さんが紅を見せてくれる。私がつけたことのない色。

土井「この色いいですね！Aさんに似合いそう！白粉も見てもいいですか？」
店員「はい！こちらです！」

こういう女性向けの買い物に不慣れな私を見透かしているかのよう。
土井先生にお化粧品を選んでもらうなんて、申し訳ない。

土井「これ、鉛入って無さそうだよ。」
と小声で教えてくれる。
『本当だ…この白粉と紅…買おうかな。』

店員「２点ですね！ありがとうございます！」
『では、これお代で…！？』

自分でお代を出そうとしていると、土井先生がすっと横から止める。

土井「これ、私から君に贈り物としてあげてもいいかな？」
『へ？』
店員「まあ！！ステキな旦那さん！！」
『え、でも…』

土井「いつも頑張っている君にご褒美！！」
『あ、ありがとうございます//』

こういう贈り物を、家族以外の人からされるのは初めて。
すごく嬉しい！けれど、
なんだろうなあ、心がくすぐったい。

土井「よし！じゃあ、お団子屋さんで一休みをして、それから帰ろう！」
『お団子屋さん！！』

久しぶりの甘味！！行きたい！！

土井「ふふっ Aさんは、かな～りの甘味好きだとお聞きしたからね！目が輝いてるね！」
『え！！あの…どなたから』
土井「誰って…利吉くんだけど？」
『利吉！？』
土井「うん。」

利吉ったら…覚えていたのね…