休日任務�� ページ6
(土井side)
土井「あるおじいさんが鍋ものを食べていた時、竹輪をストローのようにしてつゆを飲んでいたら『ひゅるっ』と竹輪を飲み込んでしまい、喉に詰まらせて…その話がトラウマなんだ…」
『それは怖くなりますね。』
お互いの意外な一面を知れて良かったかも。
土井「今日の小袖、若草色だね！似合っているよ！」
『ありがとうございます！』
土井「あの…お化粧も…」
『あ、これは山本シナ先生がしてくださったんです！』
うーん、照れもない様子。残念。
こんなふうに、たわいのない会話をしているうちに、アサギリ城下の町へ着いた。
土井「人通りは普通だね。」
『そうですね。』
町人の話し声に耳を傾ける。
「最近、米や豆、塩がみな値上がりしてかなわんねぇ」
「竹の伐採をする人も多いし、いよいよ戦が始まるのかねぇ…」
「炭も上がっとるわ」
「最近、荷車をよう見かけるねえ。」
歩いていると、ちょうど大きな荷車が走ってきた。
『このにおい…』
土井「何かに気が付いた？」
『はい。ですがここではちょっと…」
土井「！」
Aさんが一瞬、瞳を向けた方角から、矢羽根が聞こえる。
よく耳を澄ますと、あちこちで様々な矢羽根が飛び交っている。
どの城の矢羽根だろうか。
『帰ってからお話しますね。これで十分そうです。』
土井「そうだね！では、少しお店を見て回ろうか！」
『えっと…』
土井「何か見たいものはある？」
『その…』
土井「遠慮しなくてもいいよ！行きたい場所へ行こう！」
この際、買い物の楽しさを知ってもらおう。
『ええっと…小物屋さんに行きたいです…』
土井「っ！！い、いいですよ。行きましょう！」
少し、はにかむ様に言う彼女。白粉とか紅を見たいのかな？
店員「いらっしゃいませ！何かお探しですか？」
『っ！！』
店員「まあ！ご夫婦ですか？」
土井「はい！私の妻です！」
『！？』
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作者名：恋夏 | 作成日時：2022年9月20日 23時
