新野先生の娘は元軍医さん!？【伍】 (ページ36)

今日:5 hit、昨日:32 hit、合計:9,319 hit

忍術学園のお雇い忍び④ ページ36

(夢主side)

園田村とタソガレドキ城との戦の際、タソガレドキ城はオーマガトキ城と裏で手を組んでいた。
そのオーマガトキ城とカワタレドキ城は不仲である。

声を荒げる香波垂時衛門。その声を聞きつけ…

「曲者め！！」
「「「「覚悟！！」」」」

四方八方を囲われた。しかし、こちらとて策がないわけではない。
ひるまず続ける。

『誠に失礼ながら殿、文に書かれているアサギリ城。この城について、ご承知でしょうか。』
香波「知らん。」
『文にある様に、この城は毒の扱いと弓矢が長けている上、変装名人の宝庫。その証拠に！』

『ナメコ城とエノキ城、それと鶴の巣城。この３つの城は、落城せずとも、もぬけの殻。非常に危険な城です。そこで我々は、お互いの領分を守るべくして同盟を結びました。香波垂時衛門殿、拙者に免じて、どうか忍術学園と、タソガレドキ城との同盟を！！このままでは、自白薬を盛られるだけでなく従者ともども滅ぶことになります…』

香波「しかし、この同盟を結んで我が城に不利益になることがあれば、お主の命は無いぞ？それでも良いのか。」

『でしたら、交換条件はいかがでしょうか。』
香波「何！？」

掛かった！！

『忍者のおらぬ御城、交換条件として、「伝説の忍者竜王丸」の元配下にあった者を、カワタレドキ城へ派遣致します。そして我々、忍術学園が今後知り得たアサギリ城の情報は、全て香波垂時衛門殿へお知らせいたします。これでいかがでしょうか。』

香波「我々…忍術学園だと！？」

園田村での戦、忍術学園はタソガレドキと一戦交えた経験がある。
驚くのも当然だ。

『はい。私は、タソガレドキ城を退職し、現在は忍術学園に身を置いております。』

香波「なるほど。正体不明の戦国の話術士とはこのことか。末恐ろしい。」

『香波垂時衛門殿、直々のお褒めの言葉、誠に恐悦至極にございます。』

香波「分かった。大川殿、黄昏甚兵衛殿へ文を書く。和議を開き、同盟を結ぼう。」

やっとだ…

香波「お前ら、もう良い。下がれ。」
「「「「はっ！！」」」」

香波「羽丹羽石人が忍術学園へ入学するのを良いことに、うまく入り込んだものじゃのう。」
『この件は、偶然のことでございます。』

調査中にカワタレドキ城の人間が、現れるだろうとは思っていたが、まさか忍術学園への入学を希望している少年がくるなんて、夢にも思っていなかった。

香波「では、これを頼む。大儀であった。下がれ。」
『はっ！』