逆手�� ページ35
(土井side)
地下牢に閉じ込められて、4日が経過した。
土井「…」
足と腕は、後ろで縛り上げられた。
下半身は腰から下が動かせないし、
腕は後ろで組まされた状態で縛られている。
手首部分から、天井に向け縄で繋がれ、吊し上げられた。
水や食べ物を与えられることは無く、ずっと身動きもせず、
ただ時間だけが過ぎた。
体は傷だらけ、そして…おそらくアバラとアゴは…
土井「なぜ…あんな手紙書いてしまったのか…」
(『私もあなたの奥さんになりたい！！』)
身が別つ時、気がつくんだ。
愛しい人の、存在価値に気がつく。
どれだけ自分が救われ、そして心の拠り所になってくれていたのかを。
アサギリとの闘いでもそうだった。
もう自分は、このまま彼女を、この腕で抱き締めることは…
できないのだろう…
土井「なぜ…」
あんな別れ方....
このまま…後悔に苦しみながら死ぬのか…？
ああ…抱き締めたい…この腕で…
(土井「必ず、幸せにします。」)
(『うふふｗ 今も幸せですよｗ』)
土井「何してるんだ…私は…」
これで…幸せにするだと…
私の意志は…甘かったのか…
最期に、1度だけでいいんだ。
会いたい。
だが、それも今叶わない。
謝ることもできない。
土井「ああ…すまない…すまないっ! いいんだ。私を恨め。恨め。そして忘れ…」
？？「お前はそれでいいのか?」
土井「!?」
突如、声が聴こえたような…気がした。
？？「随分とブザマな姿だな。」
土井「!!」
聞き覚えのある、男の、その声が、
牢の中で反響し、私の鼓膜を震わせている…
気がする…
？？「土井。」
土井「石川!?」
続く
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作者名：恋夏 | 作成日時：2023年3月13日 12時
