新野先生の娘は元軍医さん!？【拾壱】 (ページ32)

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宴の華③ ページ32

(土井side)

「「「おおおお…」」」

こんなところで…予想だにしなかった…

あれは…本物なのか…？？

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満祐「そうだ、これはな、私の息子…若松丸が遺した笛だ。若松丸は大層笛が上手くてな…そんな息子のために、名のある職人に特別に作らせた物だ。この笛は不思議でな、若松丸でないと音がでないのだ。」

「分かりました叔父上。いつか…叔父上のご子息の様に…笛の名手になります。」

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よく笛を見た。

土井「…」

ああ…

間違いない…あれは…

男①「確か、笛には”若松丸”と記されておりましたよね？」

宗全「ああ、元は赤松満祐の息子の持ち物だったのだろう。」

男②「なるほど…赤松家の男児は皆、笛の名手でしたな。」

それは…

私の物だ！！！！

宗全「この笛は不思議な笛でな。儂がいくら強く息を吹き込んでも鳴らないのだ。他の従者たちにも試させたが、誰も音を出すことが出来なかった。」

男④「これが噂の…」

男⑤「お話に聞いてはいましたが…拝見するのは初めてです…」

宗全「今、この場にいる者たちよ！！！この笛を吹いてみよ！！吹くことができた者には！！この笛をやる！！！そしてお前たちの言い値の褒賞をくれてやろうぞ！！！」

「「「「「おおおおおおおっ！！！」」」」

男⑥「ならば！！」

男⑦「何がなんでも吹いてやらんとな！！」

女②「あちきにも、吹かしてもらえまへんか？」

政豊「よいぞ！！おなごらも、順番に吹け！！」

女③「あらま～！！」

女④「これは頑張らにゃあきまへんなぁ♡」

やめろ！！！

それは若松丸様のっ！！！

女⑤「あかん…吹けん…」

男①「貸して見よ？」

男②「ダメだ…ちっとも音が出ない。」

男③「悠里も吹いてみよ？」

北石「…」

北石は無言で笛を受け取った。

まるで、「必ず吹いてやる」と、覚悟を決めたかのような表情で…

土井「…」

私がもし…ここで吹く様なマネをすれば…

頼む北石っ！！

北石「鳴りまへんなぁ…」

宗全「やはり誰も吹けぬか…」

政豊「父上、やはり神に選ばれた者しか吹けぬという噂は本当かもしれませんね…」

宗全「おっ！！もしかすると！！」

すると、宗全は最後の望みだと、言わんばかりの期待の表情を浮かべながら…

宗全「次郎！！吹いてみよ！！」

土井「…」