新野先生の娘は元軍医さん!？【拾壱】 (ページ24)

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鹿野次郎② ページ24

(土井side)

土井「…毒入りです」

料理長「何っ!?早く出せ!!」

料理長から渡される懐紙を受け取り、口の中にある物を出した。

土井「福寿草の毒です。おう吐、呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は、心の臓が麻痺し死に至ります。」

料理長「次郎は大丈夫なのか!?おいお前！！！今日の煮つけの膳を全て廃棄しろっ！！！それとお前！！！ここへ医術師を！！！」

土井「医者は必要ありません。幸い毒に耐性がありますゆえ、問題ございません。念のため解毒をすれば。」

落ち着け…今ここで言い出さなければ、逆に自分が毒を盛ったと疑われかねない…

料理長「本当に…大丈夫なのか…？」

土井「この体は毒慣らしを施してありますから、ご心配には及びません。」

料理長「そ…そうか…」

土井「解毒してきます。」

騒ぎが大きくなったら面倒だ。とりあえず井戸に行くことにした。

土井「ふぅ…」

毒慣らし…夜霧だった頃に施したものだが、まさか今になって役に立つとは思いもしなかった。

土井「流石に舌がしびれるなぁ…」

懐から解毒薬を取り出し、口に含んだ。

～(回想)～～～～～～～～～～～～～～

『いいですか？潜入調査に行くときは必ず、これを持って行ってくださいね？』

土井「大丈夫だってｗそんなに柔な体じゃないからｗ」

『駄目です。御守りだと思って懐に忍ばせておいてください。』

土井「これはまた…物騒な御守りで…ｗ」

『あなたの命を守ってくれるかもしれませんから、ここは折れてください？』

土井「はいはいｗ分かりました」

『それと、もし使い切ってしまったときは言ってください。追加を作りますから。』

土井「おいおい…そんな頻繁に毒に当たっては命がいくつあっても足りないじゃないかｗ」

『…仕事柄、あながち冗談ではないかもしれませんから…少しはご自身の身も案じてください』

土井「ありがとう！」

『はぁ…もう…あなたというお方は…』

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

そう言われ、数か月前にAから渡された解毒薬。

毒を中和してくれる物らしい。

土井「すごい…すぐに効いてきた…」

本当…これだけは真似できない…

土井「…」

Aの顔を思い浮かべると、安堵する自分がいる。

私はどうしてここへ行くことにしたのだろう…

憎き親の仇…

？？「もし、そこの者。」

土井「？？」

口を濯ぎ、台所へ戻ろうとしていると、不意に背後から声をかけられる。

誰だ…？