全ての真実�� ページ14
(土井side)
土井「どうして…」
私が今まで見てきたものは一体なんだ?
(「…なぜ私の正体を知っている。」)
(「…珍しいね。出席簿ではなく苦無を出すなんて。君らしくないね。」)
(「すごい殺気だね有馬の若君?」)
(「質問に答えろ!!なぜ私の過去をお前が知っている!!」)
土井「昆奈門…お前……」
土井「最初から……」
園田村の闘いで再会したときから…
すべて気づいていたのか…
「フュッ!」
土井「!!」
困惑していると、聞き覚えのある矢羽根が、
私の鼓膜を震わせた。
「有馬の若君は死んでいる。よく覚えておくんだ。」←矢羽根
土井「!?」
「いいか、惑わされるな。目で見てきたモノを信じろ。
そして、目の前にあるモノの存在を忘れるな」←矢羽根
土井「待っ…」
「感覚を研ぎ澄ませ。
これは警告だ。いいな。」←矢羽根
胃が痛い…
頭が痛い…
「ズルッ…」
今のは幻聴か?いいや違う。
今のは確かに矢羽根だった。
月華と雑渡が使用している矢羽根だった。
(「一色家長女、鹿江。そして母親は山名家生まれ。御名は巴江(ともえ)。そう、君の…」)
(「ご両親の命を奪ったかもしれない山名…」)
土井「仇(カタキ)…」
思い出した…何もかも…
親の愛情も、裕福な生活も、
周りを取り囲んでいたたくさんの人たちも。
(「半助…敵を恨んではならぬ。仇討ちをしようなんて…考えるな…強く生きてくれ…」)
土井「死ぬことよりも生きることの方が……」
難しい…
Aの言う通りだ。
私はいつの間にか、自分の記憶を葬っていた。
しかし今、すべてを取り戻したのだ。
けれど、心身に与えるその反動は、
私の想像を遥かに超えて、
今後の新たな苦難となるのだ。
石人「土井先生!?」
三郎次「大丈夫ですか!!」
土井「ああ…大丈夫だ。」
どこからでもかかってこい。
私が、土井半助が、受け入れてやる。
"鬼"ではなく、土井半助が。
土井「すまないな二人とも。心配をかけて。
委員会が終わったら医務室に行ってみるよ。ありがとう。」
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作者名：恋夏 | 作成日時：2023年3月13日 12時
