白狐の鬼狩り様【弐】 (ページ40)

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みんなのお母さん③ ページ40

(夢主side)

ご飯を食べ終わり、私たちは再び町を歩き始めた。

『仙子さんのお母様も、私の師匠と同業でしたのね。』

仙子「ええ、おかげで家中罠だらけにされて、困ったものですよｗ」

『ふふっｗ』

みんなの家族の話を聞くのは楽しい。

喜子「最近、Aさんよく笑うようになりましたよね。」

『そうですか?』

藤子「とっても楽しそうです!」

みんなが、うんうんと、うなずく。

『…確かに、とても楽しいです。』

けれど…幸せは…もろく、儚いものでもある。

『っ!?』

鬼の匂いがする!!

でも…今は真っ昼間。

こんな場所に鬼がいるはずなんて…無いのに…

『どうして…?』

仙子「どうか…しましたか…?」

『…』

血の匂いはしない…

探しに行きたいが…ここでは人が多すぎる。

「助けてええええ!!」

「うわああああん!!」

「離せよ!!こんやろ!!」

いた!!鬼!!

100メート先に、少年が3人、鬼に囚われている。

鬼は1体…

仙子「!!」

『あの子たちは!!』

よく見ると…服装は制服ではないけれど…間違いない…

兵子&七子「「乱太郎!!きり丸!!しんべヱ!!」」

『そんな…』

あり得ない…なぜ昼間の…

それも人通りが多い場所に鬼がいるの??

通行人も恐れおののき、助けに入る者は一人もいない…

藤子「僕が行きます!!」

喜子「待って藤内。」

籐子「どうして止めるんですか!?」

喜子「あの目…あの長い爪…どう見ても人間じゃない…」

仙子「喜八郎、後輩たちを頼む。もし私の身に何かあった場合は、躊躇なく逃げろ。いいか、何としてでも後輩たちを守れ喜八郎。」

喜子「…承知」

驚いている場合ではない。

守らなければ…

いいえ、私が3人を守りたいのだ!!

『いいえ。』

喜子「A…さん…?」

『ここは私が。』

喜子「Aさん!!無茶言わないでください!!第一!!刀無しでどうやって戦うつもりです!?」

確かに、私は今、帯刀していない。

小袖姿で日輪刀を持ち運ぶには違和感がありすぎるから…

けれど、大丈夫。私には…

仙子「策は」

『あります』

仙子「…分かりました。必要に応じて援護いたしましょう。」

『…かたじけない』

私は、丸腰を装い、鬼に近づいた。

『本当に…あなた方は酷いことをする…』

鬼「…なんだお前」

『あなた方は一応、元人間ですよ。同種であった人間を喰うなど、正気の沙汰ではない。』

鬼「同種だぁ??何ほざいてんだ女!!」

ほざいてるのは…お前らだ。

『この愚か者!!』