白狐の鬼狩り様【弐】 (ページ28)

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楽しい工作① ページ28

(夢主side)

それからすぐ、私たちは動き始めた。

事務員の仕事の傍ら、鍛錬と調査…

かなりやることも多いけれど…一人ではないため、苦に思うこともなく、日々を過ごしている。

むしろ…日々を楽しく感じることが増えている。

『秀作くん。』

秀作「ん？どうしたのAちゃん？」

『そこ、間違っていますよ。』

秀作「へ？あああっ！！また書き間違えちゃった！！安藤先生に怒られる…」

今は、１年生たちの小テストの作成をしている。

先生方が作った問題を書き写し、解答用紙を作っているのだが、

秀作くんはドジっ子の様で、何度も書き間違えては、初めから写し直すという有り様だ…

『秀作くん、少し休憩をしませんか？』

秀作「ダメだよ…休憩なんかしてたら明日のテストに間に合わないよ…」

『疲れすぎると、返って注意力散漫になり、余計に間違える箇所が増えてしまいますよ。』

秀作「そ…そうなの？」

『お茶を飲んで休憩していてください。いいモノを持ってきますから。』

秀作「いいモノ？」

これでは、仕事の能率が悪すぎるわ。

私は用具倉庫へ向かった。

『失礼します。』

富松「あっ！Aさん！どうなさいましたか？」

『こんにちは作兵衛くん。廃材の木板３枚と、工具を貸していただきたいのですが、大丈夫でしょうか？』

富松「はい！大丈夫ですよ！ちょうどここに、いい廃材があります！」

『ありがとう。あと、彫刻刀もお借りしたいです。』

富松「はい！これをお使いください！」

私は、一通りの道具を拝借し、事務室へ戻った。

秀作「あれ～？Aちゃん、何をしてるの？」

『工作をしています。』

秀作「工作？？」

『お茶とお菓子を食べながら見ててください。』

秀作「え？う、うん…」

私は、彫刻刀で木版を彫り進めた。

文字を彫るだけだから…半刻あれば３枚ともできるはず…

～～半刻後～～～～～～～～～～～～～～

吉野「こっ！！これはっ！？」

秀作「うわぁ～♪楽しいネ！！コレ！！」