４人の忍者 ページ46
(利吉side)
〜Aの家〜
山田「寝たな。」
利吉「はい。睡眠導入剤が効いた様ですね。」
山田「しばらく、このままにしてやろう。」
父上の手を握ったまま、姉さんは眠りに落ちた。
父上も、姉さんの手を優しく握ったまま。
８年ぶりに会ったA姉さんは、すっかり大人の女性になっていた。
瞳は、８年前の、何も宿らない瞳では無いものの、すぐにでも消えてしまうそうな
儚さを醸し出していた。
悪夢にうなされ、寝汗をかき、顔をゆがめ、苦しんでいた。
そういえば、私が姉さんと最後に遊んだ日…
あの日、一体何が起こったんだろう。
利吉「父上…」
山田「どうした？」
利吉「私が姉さんと最後に遊んだ日……あの日、何が起こったんですか？」
山田「利吉……！！お前………覚えていたのか！？」
利吉「覚えていたといいますか………思い出した…と言う方が正しいでしょうね…。」
山田「…………そうか。」
利吉「あの日を境に、姉さんはいなくなりました…」
山田「うん。」
利吉「教えてください！！あの日、姉さんの身に何が起こったんですか！？」
聞くのが怖かった。だが、姉さんが苦しんでいる理由を知らなければ、
私は姉さんを助けることができない。
山田「利吉。再会した今だからこそ、話すべきなのかもしれない……覚悟して聞け。」
利吉「はい。」
怖い。私はけれど覚悟を決めた。
山田「私は、ある城で仕事をしていた。お前の母さんとも、その城で出会った。
母さんと出会う前の、ずっと若い頃の話だが、私はその城へ潜入調査中に、
１人の忍者に正体を見破られ…斬ってしまった。」
山田「その忍者の…４人の仲間に現場を見られたが、振り切って逃げた。しかし、顔を見られてしまってね。」
利吉「４人ってまさか…」
山田「正体を見破られたんだよ。あの４人は、斬ってしまった忍者の同僚で、友人だったんだよ。あれ以来、忘れられなくてね……私は誰一人の命も奪うことはしなかった。相手が敵だろうと。」
山田「その４人に、私の居場所を突き止められてしまってね。
あの日、お前は山田伝蔵の息子として、その４人の忍者に人質としてさらわれそうになったんだよ。」
利吉「ですがあの後、怪我をすることもなく、私は家に帰ったんですよね…まさか！！」
まさか…
山田「Aが、全員斬った。お前に危害を加えさせることなく…全員。」
利吉「じゃあ、姉さんが消えた理由って…」
私のために、彼らの命を、奪ったから……
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サクラさく。 - はじめまして土井先生も作品大好きでこれからも楽しみしてます！もしもよければイベント再開中「あなたの作品見せて！！《イベント公開中》」参加して見ませんか？好きなアニメやランキングと作品ですが、もしも無理そうであればお断りして構いません。 (2022年10月18日 8時) (
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作者名：恋夏 | 作成日時：2022年8月28日 0時
