雑渡昆奈門 ページ38
(夢主side)
『…他人事の様に言うな。』
雑渡「年上には敬語ー。」
片足だって？ふざけんな。
『父のそばにいるために、軍医をやめて、ただの医者になるんだ。忍者にもならない。』
雑渡「忍術学園側に就くと思われて、斬られるかもよ。」
『殿は、新野の娘だと知っている上で、脅しもせずに雇ってくださっているから、
それはない。
それに、私の任期は１０年間だと決められている。少々早めに辞めても問題ないだろう。』
雑渡「もし、その認識が間違っていて、斬られそうになったらどうするんだ。」
斬られる…ね…
『日の本から消える』
雑渡「新野先生のそばにいられなくても？」
うるさいな
『私の勝手だ。余計な詮索はするな。忍軍の組頭が、こんな軽率に詮索していいのか。』
すると、雑渡は私を押し倒し、苦無を取り出した。
雑渡「鹿江姫。このようにご自分の身の上をバラしてもよろしいのですか？」
そう。雑渡昆奈門は自力で、私を鹿江姫だと、６年前に見抜いた人物。
雑渡自身も、身の上を明かせない事情があるため、私の事は口外していないが…
どっちにしろ厄介な存在なのだ。
『忍術学園と関係があると、言おうが言わまいが、殿が見抜くだろう。』
雑渡「あなたは間違った。軽率にタソガレドキに来るべきでは無かったのですよ。」
姫、姫と、うるさい。
『あんまりふざけると、お前の包帯をひっぺはがすぞ。』
雑渡「…お遊びが過ぎた様だ。」
弱点を突いたところで、解放される。
『人の弱点を突くから、跳ね返りが来るんですよ。少しは懲りてください。』
雑渡「君の弱点を突いたのは他でもない。君のお兄さん、義直氏が伊勢国の守護も兼任することになったことを、君に伝えるためだよ。」
『それは…確かなのですか…？』
雑渡「みたいだよ。ここ紀伊国の隣にまで領地を広げてられてしまっては…
君もそろそろ身の振り方を考えないと、良からぬ人間に目を付けられて狙われるよ。」
確実にそうなるとは言えないが、まずいな。
『分かりました。余計に軍医を辞める必要がありますので、殿の元へ急ぎます。』
雑渡「そのほうがいいね。」
雑渡さんは好かぬ相手だが、こうして情報をもたらしてくれる。
一体何を考えているのだろうか。
そんなことを考えながら、私は殿の元へ走った。
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サクラさく。 - はじめまして土井先生も作品大好きでこれからも楽しみしてます！もしもよければイベント再開中「あなたの作品見せて！！《イベント公開中》」参加して見ませんか？好きなアニメやランキングと作品ですが、もしも無理そうであればお断りして構いません。 (2022年10月18日 8時) (
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作者名：恋夏 | 作成日時：2022年8月28日 0時
