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181.愛しい娘の ページ46

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 三日月は必死に己の記憶を掘り返す。

 お久しぶりですね、と。そう言ってにこやかに微笑んだあのおぞましい神は。

──ねぇ、■■?──
──……なら、こちらに来なさい。■■──


(……そうだ、確かにあの時、あの神は、主の名を呼んだ)


 そして俺は、それを、聞いていた。
聞いていた、筈なのに────まるで記憶に霧がかかったような感覚。主と正式に契約を交わしたからか? ……いや違う、契約時に審神者の真名の忘却については触れられなかった。


(ならば何故、聞いたはずの、覚えているはずの彼女の名が思い出せない……?)


 ああくそ、と三日月は拳を強く握りしめる。
 かつての審神者には常に求められてきた。人間というものは強欲だと。知っていた。
 最高レア度を誇る刀のうちの1振り。天下五剣で最も美しいとされる刀。
 求められぬことなど無かった。

 だがあれは……主は、俺を求めない。歯牙にもかけない。


────求められたい訳ではない。今までのような扱いを求めているのではない。
 ただ、俺はただ……


(愛しい()の、その目に、留まることを望んでいるだけなのに)


────
──

 ゆっくりと浮上する意識と共に目を開ける。段々明瞭になる視界だが、それに入る人物は誰もいない。


「……さよ……?」


 もうすぐ昼ご飯の時間だという頃合に、すす、と小さく音を立てて襖が開く。


「……あ、起きていたんだね。おはよう」

「大将! ご飯の準備が出来たよ!」


 小夜がきたと同時に信濃も来訪。
「そういう訳だから、行こうか」と小夜に連れられ、信濃と共に広間へ向かう。

 今日は信濃のお願いにより、粟田口の面々とご飯を食べることになった。

 ここに来てからも兼さんの隣が安定だったが、そのことを伝えると露骨に「……そうか……」としゅんとされたので何だか申し訳なかった。ご、ごめん……。


「俺が大将に頼んだんだから大将の隣は俺だよ!」
「じゃあいつも信濃の隣に座ってる俺が大将の隣だな」
「ずるいよ厚。ボクだっていつも信濃の隣に座ってるんだから主さんの隣に座る権利あるもん!」
「そう喧嘩するなって。あぁ大将、こっち座らないか?」
「……薬研、ちゃっかり主を誘うな」
「あーるーじー!俺主の隣がいーいー!」
「包丁、わがまま言わない」
「鯰尾の言う通りだ。……では主殿、ここは長兄の私の隣に来るということで」
「「いち兄ずるい!」」


 ……戦争が勃発している。

182.異変→←180.切り札の忘却



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クリスティ38(プロフ) - 刀剣達より、チートなオリキャラな(あの人の)存在とか、意味がわからない。もはや、とうらぶ←ではない。決して。正直おもしろくはない。 (2020年3月7日 14時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
モザイク(プロフ) - 七進さん» 146見れば分かるで (2018年1月9日 23時) (携帯から) (レス) id: d58e8dda44 (このIDを非表示/違反報告)
七進 - ずっと気になってたのですが海零って誰ですか (2017年11月14日 21時) (レス) id: 70dd5f2595 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 初コメです!この作品大好きです。読んでて思わず笑ってしまったり、深いなぁって思います。もうすぐ移行ですね、これからの展開が楽しみです!更新頑張ってください! (2017年7月21日 0時) (レス) id: 9a8890df5f (このIDを非表示/違反報告)
なた(プロフ) - ルイさん» そう言って頂けて嬉しいです……私もカミサマ大好きなのでこれからもカミサマのシーンはちょくちょく入れていきます……!夢主がうろたえる様と一緒にご覧くださいませ(いい笑顔) (2017年7月20日 23時) (レス) id: 3347b4cc6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なた | 作成日時:2017年5月31日 17時

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