【刀剣乱舞】審神者が逃げる本丸

171.何でや！！ ページ36

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「だ、大丈夫ですよ！ ちょっと干渉されただけですし、長年ストーカーされてる私が言うんですから！ ……多分、ですけど」

「つきましたよ！ さぁ海零さん、入って下さい。ここで新たに審神者登録をして、あなたには新たな本丸で審神者として生きてもらうことになります」

「心配すんな、今度は真っ当な本丸だよ。つく担当官もまともだし、完璧クリーンな本丸だ」


　案内された部屋の前でぽん、と小井さんに背中を叩かれる。少しだけ安心して、私は部屋の中に足を踏み入れた。

────
──


「……で、これ、どういう状況なんです？」

「────俺にもわからん」



「だから！ もう海零さんの新たな本丸は決まっているんです！」
「だからそこじゃだめだって言ってるんですよ！」
「大体今更本丸変更なんて申請やら何やらでまた時間がかかるじゃないですか！ ただでさえ審神者の数は足りないのに！」
「そこをどうにかするのがおたくらの仕事でしょうが！ 大体これは上からの命令なんです！ 自分達だって今更決まった決定事項を覆すなんてしたくありませんよ！」


　私は目の前で繰り広げられている職員達の喧嘩を蚊帳の外から眺めている状態である。


「まぁまぁ皆さん落ち着いて！ 一旦ゆっくり話し合いましょう。一体何があったんです？」


　シャララン☆ なんて効果音をバックに背負っていそうな雰囲気で碓氷さんが突撃していった。どんなメンタルしてんだあの人。強い(確信)


「あー心配すんな、ちょっと変なやつだが、あいつはかなり優秀だからな。人畜無害そうな顔して実は腹の中真っ黒なんだぜ」

「ちょっと先輩！ 俺の陰口叩かない！」

「聞こえるように言ってんだから陰口じゃねえよ。……で、話はまとまったのか？」

「はい、勿論！」

────
──


「無理ですふざけんな何なんですかその展開！！？？ 訴えますよ！？」

「ま、まぁ落ち着いて下さい……」

「これで落ち着けってんですか！？ 無理です！ 大体話が違うじゃないですか！」

「あー……まぁ、そう言うのも無理はねぇけど……」


　私の赴任先の本丸は、真っ当でクリーンな本丸だと、そういう話だったというのに！！



「なんでまたあの本丸に戻るって話が出てるんです！？ 訳わかんない……無理です……私に神隠しされろって言うんですか……今度こそ死にますよ私……」


　とりあえず絶望した。
何でや！！ 何でやちくしょう！！ どう考えても詐欺だ！！

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