165.能ある鷹はなんとやら ページ29
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「……あれ、もしかして私、早まりました?まだ私あの本丸の審神者だったり?」
「いえ、あなたはたった今あの本丸の審神者ではなくなりましたが」
「っしゃつまり完全S勝利!!」
いぇーい!と1人歓喜に湧くA。
「って、何を普通に会話してんですかあなた方は!! 普通に考えておかしいでしょうがその反応!! “何で生き返ってんの!?”ってなるのが普通でしょう!!」
ねぇ先輩!? と片方の男役人が隣の男に言う。
「……どういうことか、説明願いましょうか」
「あ、動揺してるのってまさか俺だけ……?」
「んな訳ねぇだろ俺だって動揺してらぁ」
「えーっと、それじゃあかくかくしかじかで共有……」
「「それが通用するのはTRPGの話です」」
「……ちっ」
頭をがしがしと掻きつつ、Aは事の詳細を明かした。
────
──
「つまりあなたは、祖母から教わったという人体のツボを突いて仮死状態に陥り、自力で意識を回復した、と……?」
「要約するとそういう事です」
「……んなことあるかっつーの! 聞いた話と全然違う。あんたの審神者の能力は全てにおいて平々凡々、最早一般人と言っていい!
自ら仮死状態に陥り、自力で回復するなんてのは、熟練の審神者だって出来るのは一握りだ!
それをあんたが出来るなんて……」
「ちょ先輩、素! 素に戻ってますってば」
「私の中では能力がパンピー同然の私にそれを教えてくれた祖母は最強説が浮上してますね!」
「いいや、それだけで話を済まそうなんざ、そうは問屋が下ろさんぞ。……あの時の目くらましもあんたの仕業だろう」
そう尋ねられてぎくりとする。
「この件について、俺の見解を述べさせてもらおう。
あの時で担当官が言ったように、あの場はあんたの霊力に満ちていた。
あんたは結界を張り、そこで自分の霊力を流して自らの意のままになる空間を作り上げ、俺たちを迎えた。
そして目くらましを行い、仮死状態になる。慌てた俺たちに死亡の判断を下させ、あの本丸の審神者をやめることが出来た。
……あんたはただの一般の出の審神者じゃない。普通はこんなこと出来ないし、しようとも思わない筈だからな。
あんたの血は神職に通じる血だ。
だが、あんたは何らかの特殊体質で、審神者適正の検査には引っかからない。
つまり、数値こそほぼ一般人だが、能力としては一級品の審神者って訳だ。
能ある鷹はなんとやら、ってやつか?」
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クリスティ38(プロフ) - 刀剣達より、チートなオリキャラな(あの人の)存在とか、意味がわからない。もはや、とうらぶ←ではない。決して。正直おもしろくはない。 (2020年3月7日 14時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
モザイク(プロフ) - 七進さん» 146見れば分かるで (2018年1月9日 23時) (携帯から) (レス) id: d58e8dda44 (このIDを非表示/違反報告)
七進 - ずっと気になってたのですが海零って誰ですか (2017年11月14日 21時) (レス) id: 70dd5f2595 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 初コメです!この作品大好きです。読んでて思わず笑ってしまったり、深いなぁって思います。もうすぐ移行ですね、これからの展開が楽しみです!更新頑張ってください! (2017年7月21日 0時) (レス) id: 9a8890df5f (このIDを非表示/違反報告)
なた(プロフ) - ルイさん» そう言って頂けて嬉しいです……私もカミサマ大好きなのでこれからもカミサマのシーンはちょくちょく入れていきます……!夢主がうろたえる様と一緒にご覧くださいませ(いい笑顔) (2017年7月20日 23時) (レス) id: 3347b4cc6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なた | 作成日時:2017年5月31日 17時