160.絶好の機会 ページ24
.
「……わかった。報告ありがとう」
「それでは失礼致します!」
どろん。
こんのすけが消えてから、私の中でとある考えが頭を過ぎった。
担当官と、謎の調査結果を報告する役人の来訪。
こんのすけが詳細を言い渋るあたり、私の知らないところで行われていた調査。
つまり、審神者の預かり知らぬ所でそのようなことを行えるということは、後者の役人はそれなりに階級が高いはず。
────ならば、これは絶好の機会なのでは?
起き抜けの頭をフル回転させ、パソコンを起動させる。
「いける、絶対勝つる……!!」
心の中で強くガッツポーズをとり、時計に目を遣る。朝ご飯までにまだ時間はある。多少頑張れば、お手伝いにも合流できる筈だ。
私は急いで準備に取り掛かった。
「よし、いっちょ逃げますか」
そうして無事に準備を整えることが出来た私は、ご飯のお手伝いにも参加し、しっかり朝食も済ませた。
それから少しして、煙とともにこんのすけが登場した。
「皆様、おはようございます!本日、この本丸に新たな担当官様がおつきになります。あと30分ほどで到着されるそうですので、心の準備をお願い致します!」
「わざわざ連絡ありがとう、こんのすけ」
そのこんのすけの連絡通り、30分後に、役人達はやってきた。
「……さて、お出迎えにでもいきましょうか」
そう言ってすっと立ち上がり、庭先に向かった。表立ってついてくるのは新選組の刀と小夜だけだったが、私のあとを短刀達が、そしてその後でコソコソと他の刀達もついてくるようだった。
みんな気になりすぎじゃね??
────
──
本丸に来た役人は3人。うち1人は20代後半の女性だった。彼女の後ろにいた2人組の男は、誤解を与えないためか簡単に自己紹介をした。
「ご安心を。我々は別件で来た者です」
「どうぞお構いなく」
つまり、ここの担当は女性らしい。彼女が1歩前へ出てぺこりとお辞儀をする。
「おはようございます、本日からこの本丸の担当官になる者です。……にしても、随分とここは霊力が濃いですね」
「そうですか?」
思わず呟いたのであろう一言に反応すれば、担当官さんは慌てて言葉を返す、
「あっ、いえ!海零様は普通のお家の出の審神者だと聞いておりましたので……し、失礼しました。話を戻します。私の仮名は……」
「あ、すみません。ちょっといいですかね」
にっこり笑って、私は担当官さんの話を遮った。
2084人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クリスティ38(プロフ) - 刀剣達より、チートなオリキャラな(あの人の)存在とか、意味がわからない。もはや、とうらぶ←ではない。決して。正直おもしろくはない。 (2020年3月7日 14時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
モザイク(プロフ) - 七進さん» 146見れば分かるで (2018年1月9日 23時) (携帯から) (レス) id: d58e8dda44 (このIDを非表示/違反報告)
七進 - ずっと気になってたのですが海零って誰ですか (2017年11月14日 21時) (レス) id: 70dd5f2595 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 初コメです!この作品大好きです。読んでて思わず笑ってしまったり、深いなぁって思います。もうすぐ移行ですね、これからの展開が楽しみです!更新頑張ってください! (2017年7月21日 0時) (レス) id: 9a8890df5f (このIDを非表示/違反報告)
なた(プロフ) - ルイさん» そう言って頂けて嬉しいです……私もカミサマ大好きなのでこれからもカミサマのシーンはちょくちょく入れていきます……!夢主がうろたえる様と一緒にご覧くださいませ(いい笑顔) (2017年7月20日 23時) (レス) id: 3347b4cc6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なた | 作成日時:2017年5月31日 17時