* ページ11
.
「ひとまず送り返せはしたけど…。
しつこそーなカンジだったしまた来るだろうな」
「そ、そんな!
どうしよう花子さん…私、あの魚に連れてかれちゃうの?
あんなお願い、しなきゃよかった…」
先刻の事を思い出しながら言うと花子さんが笑った。
「泣いても無駄。これが怪異にかかわるってコトだ。
言ったよね?使うなって。せっかく忠告したげたのに」
人が変わったかのように私に告げると、私をつんと突いた。
「おばーかさん」
(ううぅぅ…。言い返せない…)
「でも、君はコレをセンパイには使わなかった。
だからまだ願いを叶えてあげられる。
人間に戻りたい?
願うのなら叶えよう。もちろん、代償はもらうけど」
「だ、代償って…?」
淡々と話す花子さんにおそるおそる訊いた。
「寧々ちゃんが悪いことすれば酷いんじゃないの?」
「さあ?でも、最低限の日常生活は送らせてあげる。
どーする?」
(最低限の生活が送れるのなら、戻りたい!)
「戻る!戻りたい!お願い花子さん、人間に戻して!!」
ぱちゃぱちゃと水槽の中で大きく、私は頷いた。
「言ったね?じゃあ」
花子さんは人魚の鱗をコイントスかのように投げ、受け取ると、
「お代はカラダで払ってもらうよ」
そう言って、飲み込んだ。
次の瞬間、水槽から水が溢れ
「え」
私は人間の姿に戻っていた。
「彼岸と此岸の境を超えて、俺たちの縁は結ばれた。
君が受ける呪いは俺が最低限に抑えてあげる。
代わりにもらうよ、君の__」
(ま、まさかとは思うけど…)
「労働力」
「は?」
(ろ…、労働力?!)
「いやあ、良かった良かった。ちょーど欲しかったんだよ、ニンゲンの助手。
やらしー意味だと思った?」
ギクッ
(うっ…、恥ずかしいっ)
「ヤシロの エ ロ 大根」
大根に反応して私は中る筈もない花子さんに肘打ちを噛ました。
すると、ドゴッと花子さんに当たった。
「あれ?花子さんに触れる」
「さっき言ったろ、縁が結ばれたって。
ヤサシクしてよー。お願い二つも叶えてあげたんだからさ」
「二つ?」
.
71人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒恵(プロフ) - ありがとうございます! (2020年3月14日 18時) (レス) id: 1d808c92d7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ民党 - マジで続き気になります!!花子くんヤバい萌え死ぬ (2020年3月14日 18時) (レス) id: 95df79e566 (このIDを非表示/違反報告)
黒恵(プロフ) - ありがとうございます! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 1d808c92d7 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこましゅまろ★(プロフ) - 花子くんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました笑更新頑張ってください!応援しています! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 4ca0249a27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒恵 | 作成日時:2020年3月8日 17時