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探偵社から出た三人はいく宛もないので、戻って一階の『うずまき』と云う店にいくことにした。
「うわぁ、いい匂いだ。珈琲だな。」
「珈琲か。僕飲みたいな。」
コウが辺りの匂いを嗅ぎいち早く気が付く。しかし他の二人にはその臭いが判らないようだ。
だが、それが当たり前な二人は特に追求をしない。
「だがオレは咖喱が食べたいな！」
「コウは本当にそれ好きだな。あいつの影響？」
「オレが好きなだけだ！！」
コウとフクの二人は仲良く会話をする。Aはそれを見て微笑ましいと云う表情をした後
「まあまあ。」
と云って二人を止める。恐らく喧嘩が始まりかねなかったのだろう。
「ん？あ、これパフェっぽい匂いだ。」
コウが甘い匂いに気が付き呟くと、
「パフェ！？」
と、Aが目を輝かせながら聞き返す。
コウとフクは微笑みながら二人で会話をする。
「A様は本当に甘いものが好きだなあ。」
「………そこが可愛い。」
「おい？」
「仕方ない……」
フクにとってAは可愛い存在のようだ。Aも話の内容に気がついているようで、二人に見られないように苦笑いをする。
「ま、中に入れば判るだろうし行くよ。」
Aが促すと
「御意。」
と二人同時に返す。
三人は中に入り店員に声をかける。
「すみません。三名いいですか？」
「はい！三名様ですね。こちらです。」
そう云われて三人は奥の席に案内された。
「注文注文！オレ咖喱で！」
「僕は珈琲で。」
「えっとぼくは紅茶と甘いものを………」
三人思い思いのものを注文し、待つ。その間に話は上の探偵社員の話になる。
「しばらくしたらくるか？」
「来ないだろ。」
「後で会いに行くし大丈夫だよ。」
要点でしか話さない三人の会話に店員さんは不思議な顔をしながら三人の頼んだものを届ける。
「おー！うまそう！！」
「……」
「わぁ！！美味しそう！」
三人は久し振りの外食に胸を踊らせながら食べ出した。
と＿＿
「ここが『うずまき』さ。」
「ここが………」
『うずまき』の扉が開き人が五人入ってきた。先程上で茶番をしていた探偵社員の面子だ。
「……オレは近づきませんね。」
「僕は待ってます。」
コウとフクがその様子を見ながらAに云う。
Aは笑い
「うん行ってくる。でも、」
「でも？」
「ケーキ食べてからね。」
と云った。二人は苦笑いをうかべ、Aがケーキを食べ終わるのを眺めていた。
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作者名：玉兎 | 作成日時：2019年7月28日 10時
