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＿＿＿朝
Aの部屋に一人の人影が現れる。
髪は白く、部屋の電気の光を反射しキラキラと輝き、
「A様、朝、起きてください。」
人影＿＿フクがAにそういうと、Aは少し身を動かした後、ゆっくりと体を起こす。
「おはよう………眠い………」
そういいながらAは目を擦る。
子供のような動作にフクは微笑みつつ云う。
「おはようA様。朝食出来ていますよ。」
Aは着替えて食卓へと向かう。
そこには既にコウが朝食を並べていた。
Aもコウを手伝う。
コウの髪は黒く、瞳は
暫くすると、サクとドレに連れられた子供たちが起きてきた。
全員が朝食を食べ終わり、日課のラジオ体操とトレーニングを皆でやった後、Aはコウとフクを連れて探偵社へと向かう。
三人が路地を通っていると、後ろから声が聞こえた。
普通なら気にしない程度のものなのだが、コウとフクは振り返り戦闘体勢を整える。
何故ならばその声の主と思える人物がAたちの方へと走って来ているのだ。
Aが後ろをみたその時、
「わ！」
と、走っていたためかその人物は何かにつまづいてしまう。
「主様！！」
その人物の従者が急いで走るが間に合わない。
コウとフクも呆気にとられている。
そんな中Aは思い切り地面を蹴り近付く、その人物の腕を引っ張り、
「大丈夫？」
と聞いた。
その人物はAを見て顔を一瞬にして真っ赤にした。そして恥ずかしそうに頭に被っていた帽子で顔を隠す。
そんな彼の様子を見てAは仕方ないと云ったふうに笑った。
「君は十一年前に露西亜で会った子だよね？」
暫くしてAが問いかける。
その声に漸くその人物は顔を上げた。
「ぼくを覚えていてくれたんですか！？どうしましょう。今、死んでも良いぐらい嬉しいです。」
そういって笑う彼に危うさを感じたのか、
「それは駄目。」
とAは直ぐに止める。
そんなAを優しげに見詰めると、
「はい、止めます。」
とはにかみながら答える。
そんな彼の行動にAも一緒になって笑っていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：玉兎 | 作成日時：2019年7月28日 10時
