19輪 ページ20
玄関前のベンチに座る 。
いちばん安全な場所はここだ 。
「 あれ 、茅ヶ崎がくれた奴だ 。」
まるで私を待っていたように私の隣にある缶ジュースをみる 。
喉がカラカラだから 、開封して飲むことにした 。
少し飲むと喉が休まった 。
「 あ 、A 。……… その様子だと見ちゃったんだね 。」
涙で顔がパンパンになってる私を見たらきっとわかるのだろう 。
私はなんにも言えなくて目をそらす 。
すると茅ヶ崎は隣に座った 。
「 ごめんね 、でもこんな形でしか言えなかったんだ 。」
「 別に 、全然いいよ 。」
ぶっきらぼうに答える 。
こんな言い方していいのかな 、なんて思っててもこんな言い方しかできない 。
「 Aってさ 、立花のこと好きなんでしょ ? 」
茅ヶ崎は無理矢理私の目を合わせて言ってくる 。
私は驚き 、目を大きく開く 。
震えた口を動かした 。
「 なんで 、それを …… 」
「 なんでかってさ 、それはねぇ 。」
すると突然視界が暗くなる 。
甘い香りが広がる 。
あたたかい温もりが身体を支配する 。
きっと 、茅ヶ崎に抱きしめられてるんだ 。
「 Aがずっと好きだからだよ 。」
いつもの茅ヶ崎とは全然違う 、覇気のない言い方だった 。
私はどうすればいいのか分からない 。
なんとなく茅ヶ崎は私を気に入っていると気づいていたけど恋愛感情には気づいてなかったのだ 。
「 ありがとう茅ヶ崎 。私はいづみが好きなんだ 。」
「 それでもいいんだ 、だけど俺のことを頼ってほしい 。立花よりも泣かせない自信はある 。どんな形でもいいからAと一緒にいたい 。」
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作成日時:2017年11月10日 16時