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16輪 ページ17

「 Aって 、眠り姫って言うよりはいばら姫だよね 。」


私の髪の毛をくるくると指に待ちつけながらいう茅ヶ崎 。


「 え ? 本番直前に何いってんのさ 。」


「いやさ 、いばらの刺に刺さったお姫様って感じがするなぁと思って 。」


緊張してるいるのか私と目を合わさずに話す茅ヶ崎 。


「 ふ ー ん 、そうなんだ 。ま 、私はお姫様を助ける騎士がいいなぁ 。王子様なんて要らないもの 。」


私はいづみを狙うたくさんの狼を倒す騎士になりたい 。
だから王子様なんて要らない 。
私の秘密を知る茅ヶ崎にはそれは理解出来ることであろう 。


「 そっか 、今は王子様がいらないのか 。
じゃ 、お互い本番頑張ろうね 。」


茅ヶ崎は手を振って立ち去った 。


「 なんなのアイツ 。」


私はぽつんと1人舞台裏で立っていた 。


「 嗚呼 、姫に目覚めのキスをして 。」


ラストシーン 。
王子様がお姫様にキスをして目覚めるシーン 。
キスシーンは死角になるため本当にキスしなくていいのはとてつもなく幸運だ 。


「 僕の姫 、目覚めてくれ 。」


この時に茅ヶ崎は私の頬をつつき 、そして私は目覚める 。そのはずだったのに 。
小さなリップ音が私を支配する 。
パチリと目を覚ますと目の前には茅ヶ崎がいた 。
茅ヶ崎が私にキスしてるのだ 。
茅ヶ崎が離れると私はガバッと起きた 。


「 まぁ 、姫が目覚めたわ !」


それ以降の記憶はない 。
私の唯一の記憶は 、茅ヶ崎が笑顔でいづみを見ていたことだ 。

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作成日時:2017年11月10日 16時

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