10輪 ページ11
中学生の頃だった 。
私が受験勉強のために通っていた塾 。
茅ヶ崎との出会いであり 、いづみへの片想いを確信した出来事であった 。
「 おはよう 、田中 〜 !」
私は同じクラスの田中という男子と仲が良かった 。彼はサッカー部のエースでいわゆるモテ男であった 。
「 おはよう 、佐藤 。」
それもあって私は女子に少し距離をおかれてた 。
そして事件は起きた 。
教室に入ると 、私の机が傷だらけであった 。
「 え 、何これ 。」
私が絶句すると 、隣にいたいづみが心配そうに私の肩を抱いた 。
そしていづみは大声で言った 。
「 誰なの 、Aの机をこんな事にしたのは ! 」
みんなはヒソヒソ話で何か言っているだけで誰も名乗り出ない 。
「 あれじゃね ? 田中と仲いいから女子が嫉妬したんじゃねーの ? 」
男子がそういうと女子はそれはないと言って大騒ぎ 。受験前なのもあってピリピリしてたから尚更だった 。先生がくるまでみんな言いたい放題言っていた 。
それからも何度か嫌がらせは続いた 。
最初はみんな騒いでたけど 、どんどんその嫌がらせは日常となっていった 。
「 忘れ物取りに行くね !」
教科書を忘れた私は 、いづみにそう言って教室に忘れ物を取りに行った 。すると私の席に人がいた 。
「 え 。」
そこにはボロボロになった教科書を持つ田中がいた 。私と彼は仲の良い友人だと思っていたのに 、嫌がらせの主犯は田中だったのだ 。
私は思わず逃げた 。
そしていづみに全部話した 。
するといづみは私を抱きしめた 。
それが私の初恋であったのだ 。
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作成日時:2017年11月10日 16時