彼氏くん？ ページ7
＿福本side＿
小島｢Aおるかな？｣
福本｢今日三限言うてたから多分おるやろ｣
現在、こじけんと共にからAの大学に来ている。
理由はただ単に3人で遊ぼうと思ったから。
でも連絡もなしでいきなり来たから行き違いとかになんなきゃええけど…。
小島｢ん、あれやない？｣
指をさした先には、壁にもたれてスマホをいじっている、一際目立つオーラの女の子。
少し離れたところにおるけど、あの背丈にあのゆるい格好は間違いなくAや。
福本｢ほんまや。行くか｣
今日はどこ行こう、そうだふたりにベースのストラップを選んで欲しいなぁ
なんて呑気に考えながら彼女の元に行こうとした刹那だった。
小島｢……お？｣
いじっていたスマホから顔を上げ、俺たちじゃない、他に駆け寄ってきた人物と親しげに話していた。
それだけならいい。
しかし、こうなったら話は別だ。
福本｢…お、男………？！｣
そう、その相手は背の高い男だったのだ。
小島｢…あ、行ってまう｣
Aと男は笑顔で会話を交わして、
ベッタリとくっつきながらどこかへと歩いていった。
福本｢………はぁ？！｣
＿＿＿＿＿
福本｢……どうする、こじけん｣
小島｢……どうしよな、大晴｣
急遽予定変更でファミレスで作戦会議を開く。
非常に重々しい空気に店員さんの笑顔は若干引きつっていた。
福本｢……あれ、彼氏なんか？｣
断じてそう思いたくない。
けれどそんな不安が頭を埋めつくしていた。
小島｢…分からへん。分からへんけど…｣
福本｢……いい感じやったな｣
小島｢……な｣
自爆。
そしてしばしの沈黙が流れる。
福本｢背ぇ高かったな｣
小島｢多分俺らより｣
福本｢服、おしゃれやったな｣
小島｢多分俺らより｣
福本｢………イケメンやったな｣
小島｢……………多分俺らより｣
またもや自爆。
…自分たちで言って泣きそう。
福本｢あー……なんなん、｣
思い出すのは、あの二人の光景。
悔しいけどAはあの男相手に
めちゃくちゃ可愛い笑顔を向けていた。
…あんな顔、見たことなかってん。
小島｢…ほんまに、付き合ってんかなぁ｣
なんだか無償にモヤモヤして、
残っていたコーラを一気に飲み干した。
小島｢…でも、普通っちゃ普通よな。
女の子やもんな、Aも｣
福本｢……おん｣
コーラはすっかり炭酸が抜けていて、不味かった。
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作者名：透夏 | 作成日時：2020年5月31日 0時
