なでなで。 ページ20
＿正門side＿
Aは頭を撫でられるのが好きだ。
ほら、現に今もこうやって
｢ん〜〜…｣
正門｢ははっ、可愛ええなぁ｣
頭を撫でてやると気持ちよさそうに目を細めている。
正門｢気持ちえーの？｣
｢おん。…なんかなぁ、眠たなってくる｣
手のひらに頭をグリグリと押し付けてくる様はまるで仔猫のようで、ひたすらに可愛い。
正門｢せやったら、ここ横なり？｣
｢…んー……｣
ソファ座っていた俺は、横たわったAの頭を膝の上に乗せた。
うとうとしかけている彼女の綺麗な髪を撫でる。
何回も染めたりブリーチをかけているはずなのに、
しっかりと手入れが行き届いているからか、それを感じさせないくらいにサラサラで柔らかい髪の毛。
触り心地が良くて、ついずっといじってしまう。
正門｢寝てもええで？収録までまだ時間あるから大丈夫やで｣
そう言うとだんだんと綴じていくまぶた。
…ほんま整った顔してるよなぁ。
正門｢…あ、｣
そういえばさっき誠也くんからLINE来てたんやった。
そんなことを思い出して、撫でる手を一旦止め
スマホに手を伸ばそうとした。
｢……まさかど、｣
正門｢んー？｣
｢…やめちゃうん？｣
身体を起き上がらせて、こちらを見つめるA。
少し寂しそうに、首を傾げて見上げるその姿は小動物にしか見えなくて。
｢もっと撫でてやー…｣
今度は正面から抱き着いて、胸板に頭をグリグリしてきた。
…何なんやこの子、可愛すぎん……？？？
正門｢よーしよし。ふふっ。何や、今日はえらい甘えたさんやな？｣
手に取ったスマホを置いて(誠也くんごめんなさい)、
Aの頭を優しく撫でてやる。
いつもは全くと言っていいほど甘えてくることのない彼女だから、こんな時くらいはとついつい無償に甘やかしたくなってしまうのだ。
正門｢ほんま撫でられんの好きよなぁ｣
｢んー？正門だけやで？｣
こんなん頼むの
そうサラリと、何ともないように言ってのけるAには、やはりどうやっても叶わない。
｢正門が一番好きやねん｣
なんてふにゃりと笑うAに、
ズギュンッという音が胸の辺りで聞こえた気がした。
正門｢…"撫でられるのは"っていう主語がないねん…｣
｢？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 862人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：透夏 | 作成日時：2020年5月31日 0時
