Aぇ group の女のコ . (ページ42)

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あの頃のことページ42

正門｢あ、同期3人組や｣

正門が手に取ったのは、
リチャ、私、末澤の順で並んだ3人がピースをしている写真。

3人とも汗だくで、でも清々しい
そんな最高の笑顔を浮かべていた。

福本｢めっちゃいい写真やな｣

草間｢おー、懐かしい｣

佐野｢昔っからふたりは同じ身長だったんすね！｣

末澤｢…そのことについては触れんといてや｣

この写真は、私たちが入所して初めてのコンサートを終えた後すぐに撮ったものだった。

佐野｢…あれ、この誠也くん、ひとりだけ衣装ちゃいますね？｣

その頃の写真を眺めていると、ふと昌哉が気づいたように声を上げた。

正門｢ほんまや。まぁ初めてのコンサートやから衣装着忘れちゃうこともありますよねぇ｣

バックの子たちはみんなカラフルなジャケットを着て踊る中、
端っこに写った末澤だけがそれを着ていなくて、
白のタンクトップのみで踊っていた。

これだけ見たら、ただ末澤がミスをして衣装を着忘れただけのように思えてしまう。

……でも、

｢んーん、｣

小島｢ん？｣

｢それ、末澤がミスったわけじゃないねん｣

そう言うと、少し空気が変わったのを肌で感じた。

福本｢？どういうことなん？｣

｢この際やから話、みんなに聞いてもらおうかなぁ｣

写真を手に取る。

忘れもしない、あの日のこと。

リチャ｢いいんちゃう？せっかくやし｣

末澤｢…まあ、せやな。

メンバーのことは知っとくべきやしな｣

｢おん。

ちょっと長くなるけど、いいかな｣

いきなりのことでまだよく分かっていない4人は、それでも真剣に話を聞こうと頷いてくれた。

｢多分、このふたりが居らんかったら

今の私は居ないと思うねん｣

初めてのコンサートは今でも忘れもしない、

アイドル宮地Aが生まれるきっかけとなった、大切な思い出だった。