きみとでーと！ ページ31
＿福本side＿
大晴校門の前おるな
A分かった、今終わって向かってる!
｢…ふふ、｣
スマホのトーク画面を見ては口元が緩む。
｢(なんて言ったって、今日はAと出かける日！)｣
二人きりで遊ぶのはほんま久々やからすごい楽しみ。
服もA好みのシンプルめで揃えたし、
髪のセットだって頑張った。
きっと、いつもよりいい感じな…はず！
｢…あ、たいせー！｣
俺を見つけて笑顔で駆け寄って来るA。
…待ってめっちゃ恋人みたいやない？やばない？
そんなことを思いつつ平然を装い
｢ごめんな、待った？｣｢今来たところやから｣なんて憧れの会話をする。
…ん？
なんか今日のA、いつもより…
｢…可愛ええな｣
彼女を見ていたらついポロッと出てしまった言葉。
本音だけれど何だか恥ずかしくなって誤魔化そうとすると、
｢ほんまっ？｣
｢えっ？あ、ああ｣
｢えへへ、大晴と出かけるから
ちょっと張り切っちゃった〜！｣
良かった〜なんて嬉しそうにはにかんで
胸を撫で下ろすA。
…まじか。
何やそれ、可愛すぎんか。
と内心めちゃくちゃに悶えていると、
またもやこの子はシレッと爆弾を落とす。
｢大晴も今日めっちゃかっこええなぁ！｣
大人っぽいなぁ〜大晴そーゆー系統ほんま似合う！
髪もいつもとちゃうな、大人っぽくてかっこええ！
なんて次々とべた褒めしてくるもんだから耐えられへん。
…ほんま、コイツは
｢…あほやん｣
｢いきなり罵倒？！
…あ"、いつもはかっこよくないって意味ちゃうで？！
いつもかっこええけど、今日は特にって意味で！！｣
｢っ、ほんま、やめてや…｣
あほあほ、ほんまにあほ！！
何だか負けたような気になって、
彼女が被っていた帽子をグイッと深く下げた。
｢なっ？！何すんねんたいせー！！｣
くらい！これじゃ何も見えへん！
なんて騒ぐ彼女の手を強引に握った。
｢…ほら、はよ行くで｣
うるさい心臓の音が、
君に伝わっていないか心配だ。
｢ふふっ、久々やなぁ〜。大晴とのデート｣
｢何がデートや｣
｢えー、こーゆーのデートちゃうん？｣
｢…あほ｣
｢あー！またあほ言うー！！｣
君はどれだけ虜にさせたら気が済むのだろうか。
＿＿＿＿＿
(後日、デートがバレてグチグチメンバーに問い詰められた)
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作者名：透夏 | 作成日時：2020年5月21日 16時
