48. 小さな決意 ページ7
「ふざけんなッ…！！」
ドンは近くにいたノーマンの頬を容赦なく殴り飛ばした。その衝動でノーマンは床に倒れ込む。
『……っ、ノーマンっ…！！』
「おいっ、ドン！！」
その光景に絶句してるエマ、ドンを止めようとレイが間に入るが、
「……っ……！！」
『……レイっ…！！』
レイもドンによって容赦なく殴られ、
その拳はついにエマにも向けられた。
…これ以上、ドンに拳を振るって欲しくない…。
その一心でエマに向けられた彼の拳を必死に両手で包むように止めた。私は怖さのあまり目を瞑っていた。
『…………ドン……っ…』
「……………ッ、何でお前が泣くんだよA…。
泣きたいのは、俺の方なのにさ…。
お前らにとって俺達は荷物かよ…。
「守ってあげなきゃ何もできない
滅多に泣かないドンの頬には
大粒の涙が流れていた。
「分かってるんだよッ…俺たちを守る為なんだろ？けどさ、頼ってくれてたんじゃねーのかよ…？
俺達はお前たちよりは出来は良くない……けど、
俺達は【家族】だろ？【兄弟】だろ？
少しは信じて欲しかったんだよ…！！」
分かっていたはずだった。
私達もレイに対してその気持ちがあったから、……痛いほど分かっていたはずだったのに、
傷付けたくないから、真実を伏せた。
でもかえって、彼等を傷付けた。
「頭を冷やしてくる……。」
と食堂から出ていく、ドンとギルダ。
沈黙を遮る様にぽつりとエマが話す。
「…そんなつもり…無かったんだけど…。
私、信じて無かったのかな？あの二人の事。」
「…まぁ、対等だと思っては無いわな。けど、何を言われても覚悟できた筈だろ？全員で逃げるって時点でよ。」
確かにレイの言うとおり。私達は覚悟を決めてこの行動に出た。だから何を言われようと覚悟して受け入れないといけない…。
……でも、ドン達の気持ちも尊重しないといけなかったんだ。
『…謝りにいこう。こんな時こそ私達は団結しなきゃ。
……それにドン達は私達が思ってる程、私達を良く理解してくれてると思うの。』
「……そうだね。A…。私達、恨まれる覚悟だけしてきて、信じる覚悟はしてなかった…。」
「…だね。レイは？行くんでしょ？」
「………ちっ、…分かったよ。」
もう一度、“皆で”ここから脱獄する為に
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mio(プロフ) - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: acfc7ed933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾葉メグ | 作成日時：2020年4月6日 2時
