GF(グレイスフィールド)の双子 2【約ネバ】 (ページ5)

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46. ウィリアム=ミネルヴァページ5

「もしかして、フクロウのやつか？」

「うん。やっぱりレイ気づいてた！」

図書室に行ってエマが見せたのは
ウィリアム·ミネルヴァさんと言う人の描いた物語の本だった。

中でもウーゴ冒険記がとても人気だったな…。

『よく兄弟達に読み聞かせてる本だ。確かにあれは…』

「そう！Aも気付いたんだ！」

「…へぇ、Aも気付いたのか。」

『何回か読み直したりするから…そうかこの本が鍵になるんだね。食用児(わたしたち)の味方かも知れない人物……。』

「…どういう事？」

ミネルヴァさんの本には何冊か通して、
あるメッセージが隠されてある。

レイが言っていたフクロウと言うのは、
ミネルヴァさんの本にある蔵書標、これは本の持ち主を示す紙の事で、そこではフクロウの絵が印刷されている。

中でも最も興味深い所は、
フクロウの周りにある円。

「……モールス記号になってる？！」

「そう！そこに隠れメッセージがあるの！」

驚くノーマンに対して、エマが次々とミネルヴァさんの本を開き、その紙が貼ってあるページをめくり、隣にずらり並べる。

Run (逃げろ)、Doubt(疑え)、
Danger(危険)、Truth(真実)、
Monster(怪物)、Harvest(収穫)、
----- Farm(農園)

『…明らかに私達に向けられたメッセージだよね。』

「外に味方がいた！！今もいるかも知れない！」

脱獄のその先の可能性に期待できると喜ぶノーマン。その姿にエマはでしょ？と言ってその希望に期待を膨らませた。

その後も意味深な二冊の本も発見。
一つはPromise(約束)そして、モールスもないただの円が描かれただけの物。

「この二冊は特別だと思う。
多分この二冊のは私達にとって何か大切な手掛かりになる気がする。でしょ？A。」

『うん。私もそう思うよエマ。これはきっと外へと繋がる大切な鍵だよ。』

「…で、二人の根拠は？」

「『双子の勘！！』」

あからさまにレイには信じられないと言わんばかりの顔をされたけど、
この時私達は、この本に微かな希望を目にしたのは事実だった。

……………

「よくエマは気付いたね。常日頃から本を読むAとレイはともかく。」

「だよな、あのエマが蔵書票に気付くとは。」

「それ、私が気付いたんじゃないよ。フィルが教えてくれたんだよ」

『フィルはよく読んでたからね、あの本。』

と四人で食堂に向かったが、ドンとギルダの姿が見当たらなかった。