GF(グレイスフィールド)の双子 2【約ネバ】 (ページ15)

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番外編: 君が見る世界　エマ目線ページ15

「私も遊びたいーッ！！」

木陰でレイのフリして本を読んでいたけど、
やっぱりつまらない。

皆森の奥に行っちゃったし。Aの事も心配で今すぐ加勢に行きたいけど、入れ替わりの事バレちゃうかもしれない。

「……レイは良く耐えられるよね…。でも…これがいつも見てるレイの世界なんだ。」

「俺がなんだって…？」

「…っ…レイ！…エミリーだったね。随分遅かったじゃん。」

レイは開始の十分は飽きてギブアップする
それは本の続きを読む為なんだろうけど。
今日は鬼ごっこを楽しんでいたのかも、
まぁ、Aの姿だからかな…？

「……Aが納得行かなかったら、お前も俺に向かって文句言ってくると思っただけだ。」

「本当私達の事よく知ってるねレイは。」

「お前らの思考が単純で解りやすいからな。」

レイは悪戯じみた笑みを向けてくれば、
私も吊られて微笑みだす。
確かに、Aが納得して無かったら私も黙っていないだろう。

レイはいつも澄ました顔で、私を馬鹿呼ばわしたり、他の事ばかり気にかけてるけど、自分の事は全くだ。

ハウスの事だって、自分で何とかしようとしていたし。

でもなんだかんだ言って、レイは皆の良き理解者なんだよね…。

「レイには敵わないや、何も言わなくても思考を見抜いちゃうし。面倒見が良かったり……。」

「俺は少なくともお前達双子より上だと思ってるけどな。」

「むっ、何か聞き捨てならないなーっ！」

「妙に張り切り過ぎなんだよ、お前は。
頑張って姉貴面見せようとしてるし。」

何より、レイは辛い時は何も聞かずに黙って側に居てくれた。Aに弱さを見せたくない時に限ってレイは私を見透かしてくる。
でも少なくとも、私はそれに救われた。

レイの目線がAにある事は知ってる…。
Aも私の大切な妹だ。
それにAはノーマンの事が好き…。
お互いに叶わぬ恋をしてる。

(……だぁッ！！なんでこんなフクザツに？！)

今まで家族として暮らして来た。
だから大切な人だと言う事には変わりはない。

でも気付いてしまったんだ、この気持ちに。
全てが安定したら伝える、どんなに怖くても…。

(…A……お互いに頑張ろうね…。)

一度でも、好きな人の思考を満たせるようなそんな人になれるように。

「…私は負けないから。だからレイ。見守っていて。」

「…ふっ、そりゃあ楽しみだな。」