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仙蔵「…それで喜八郎の穴に文次郎が引っかかってな。」
A「ははっ、それは見物だね。」
なんて、何気ない会話をする。
こんなふうに過ごしている時が、私は1番幸せだ。
忍というのは、常に危険と隣り合わせだ。プロの忍者ともなれば、昨日笑いあった者がもうこの世にはいない、なんてこともある。
だから、自分の友達や愛する人が隣で笑っているのは、とても幸せだ。
A「んふふ。」
仙蔵「どうした?」
A「幸せだなって。仙蔵が隣にいてくれて、幸せ。」
仙蔵は、少し驚いた顔をした。いつもの私はこんなこと言わないから、驚いたのかもしれない。
普段なら絶対に言わない。こんなこと。でも今日はなんだか素直になれる。
明日のデートが楽しみで、浮かれてるのかもしれない。
仙蔵はしばらくして、いつもの綺麗な笑みを浮かべて言った。
仙蔵「あぁ、私も幸せだ。愛している。」
甘い言葉を囁かれて、急に顔へ熱が集まる。きっと顔は真っ赤だろう。
私はこんなにドキドキしているのに、仙蔵は顔色ひとつ変えない。それどころか、「お前はどうだ?」とでも言わんばかりにこちらを見つめてくる。
こういう時の仙蔵の圧に、私は勝てない。
A「………………る。」
仙蔵「なんだ?」
A「……………てる。」
仙蔵「聞こえないが。」
A「………愛してる。」
私がやっとのことで絞り出した言葉を聞いて、仙蔵はにやにやしている。
A「これで満足ですかー?」
仙蔵「なんとことだかわからないな。」
A「仙蔵が言わせたんでしょ!!」
私と仙蔵は、いつもこんな感じだ。
馬鹿な話で盛り上がって、友達みたいだけど、それとは少し違う特別な人。
ゴーンゴーン
夕食の時間を告げる鐘が鳴った。
仙蔵「さぁ、食堂へ行こう。」
A「うん。」
並んで食堂へ向かう私たちの後ろでは、今まさに沈もうとしている夕日が真っ赤に輝いていた。
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ベアちん(プロフ) - たうふ★さん» コメントありがとうございます。そのお話私も描きたいなーって思ってたんです!!リクエストは順番に消化してくのでちょっと時間がかかると思うんですが、楽しみにしていてください! (2021年11月2日 23時) (レス) id: e1de9352a4 (このIDを非表示/違反報告)
たうふ★(プロフ) - はじめまして!リクエスト失礼します!夢主ちゃんが拐われて、仙蔵がボロボロになりながらも夢主を助ける(語彙力)というお話が見たいです! (2021年11月2日 20時) (レス) id: 875905f17e (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - 久々の更新だ〜!待ってました!学園長…思い付きをやめてもらいたい…! (2021年10月26日 23時) (レス) @page46 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - 私のコメントありがたい!←調子に乗るな(^言^)これから、たくさんコメントしますね! (2021年10月12日 20時) (レス) @page45 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
ベアちん(プロフ) - しゅるさん» コメントありがとうございます。リクエスト大歓迎です!心得ました!少々遅くなるかもしれませんが気長にお待ちくだせえ…。 (2021年10月12日 7時) (レス) id: e1de9352a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベアちん | 作成日時:2021年7月19日 14時