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もう、そろそろかな
胸が痛んできた。苦しい
息をするのも苦しい
人って、こんなにも簡単に死んでしまうのか
せめて、もう一度、もう一度だけでいいから
兄さんとあの彼岸花畑をのんびり眺めていたい
窓からでは詰まらない
兄さんとじゃなきゃ、嫌だ。
でも、こういう時に限って私は不幸だ。
生憎今日は兄さんの結婚式らしい。
私にも、招待状が届いた。
が、私は今祝える状態でない。
元気であれば、行きたかったな
今頃、花嫁とバージンロードを歩いているであろう
兄さんには、私とは違って幸せになってほしい
無病息災。その言葉がぴったりだ。
もし、私が心臓癌になっていなかったら。
産まれた子供の叔父に当たるのだろうか
孫、ね
会いたかったなぁ
産まれたらの話ですけど。
「─午前12:57分。最期です」
おやすみなさい、兄さん、友よ
私はその時、彼岸花の花が開いたのを知らない
彼岸花のあとがき→←--------------------
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作者名:斎藤颯汰 -Saito Sota- | 作成日時:2018年9月12日 20時