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私は死ぬのが恐ろしかった
このまま心臓が弱いままであったらコロっと死んでしまうのではないか、と疑っていた
兄は「そんなこたぁねえさ」と言っていた
けれど今はこんな有り様だ。
一年中殆ど外に出れず、ベッドに張り付けられたまま
詰まらない。
ごく稀に、友人らが顔を出してくれる。
「元気か」 「心臓はどうだ」 「なにかできることはないのか」と口々に言う
それを聞く度に、私は友に恵まれたなあと思う
たまに、兄さんも顔を出してくれる。
彼岸花を持って。
でも、私は彼岸花を持ってこられるのは好きでなかった。
故人の心臓からちょん切って持ってくるのだろう?
かわいそうでないか。
だから、私は兄に彼岸花を持ってこないでくれ、と伝えた。
兄は不思議そうな顔をする
何故。何故そんな顔をする
私には解らぬ
─それから一週間後と言うもの、最悪の事が起きた
そう、私の主治医から呼び出されたのだ。
大元予想は付いている
それが的中してしまった日だ。
私は主治医から余命宣告をされた。
もう、私の癌は末期になっており、手をつけられない、と
これ以上手術をしてしまったら、反って命が危険だ、と
私の余命はあと2年も無いと言われた
当時21歳
21歳の私には苦痛であった
これ程の若者であれば、もっと友人らと楽しんだりしているであろう
でも、私にはそれが出来なかった
出来る状態で無かった
絶望した。
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作者名:斎藤颯汰 -Saito Sota- | 作成日時:2018年9月12日 20時