【銀魂】花時の青い夢【合同企画】 (ページ7)

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それから、俺のAへの猛アタックは始まった。

悲しきかな、あのタイミングでは流石にOKが貰えるはずもなく、Aは「私、今まで銀ちゃんのことをそういう風に見た事がない」と申し訳なさ気に言った。

ぶっちゃけ、今更そんなの気にするレベルでは無く「じゃあ、今日からそういう風に見て」と告げて、それ以来俺達は以前のように一緒に下校したり週末に何処かへ行ったりした。

以前と違う事と言えば、伝えてしまえば開き直れるらしい俺がAとの距離を詰めようと躍起になったことぐらいだ。

初めこそ戸惑っていたAだが、今となっては赤面させるまでに到達した。
全て、俺の努力の賜物である。

そんな感じで3年の夏から頑張り始めて、再びバレンタインの季節がやって来た。

「はい、銀ちゃん」
「おー、サンキュな」

放課後、一緒に下校する最中に待ち侘びていたチョコがAから手渡された。

「ふぅーん、手作りね。かなり上達したじゃん」
「うん、3年間頑張ったから」
「見た目も良いし味も美味ェよ」

とは言うものの、相変わらずバカ甘いのは指摘した方が良いものなのか。甘いもの好きだし、別に俺は構わないけど。

「良かった、銀ちゃん甘いもの好きだから甘めに作ったの」
「え、そうなの？」
「うん、去年のも……その、去年は銀ちゃん怒ってたし食べてないかも」
「い、いやいや！！流石に捨てたりしてねェよ！！」

キレたお陰でとんでもない誤解を生んでいた。しかし、まさか去年から本当に俺の為に俺のことを考えて作っていたとは。

「なー、あのさ」
「なに？」
「これって……本命？それとも、やっぱ義理？」

卒業まで、あと僅かだ。
こうして二人で過ごす時間も、タイムリミットも、あと少しだ。
だから、聞きたかった。

Aは俺の言葉に顔を赤くして「やっぱ、なんて…言うの」と口を尖らせる。

「いや、だって…」
「銀ちゃん、手作りは好きな人にだけにしなさいって言ったのに」
「…え？」
「前に、そう言われたから…私……」

Aの目が僅かに潤んだ。
それは、確かに俺が言った言葉だ。

「私、手作りは銀ちゃんにしかあげてない……だから！」

そこから先の言葉は聞かなかった。
抱き締めて肩口に押し付けてAの言葉を遮る。

「俺、お前を諦めなくて良かった」

ずっと好きだった。
やっと、お前に触れられる。

まだ青かった俺達の両想いは、やがて薬指への指輪へと変わることを俺達はまだ知らない。

俺達が青かった頃