あの音を掴んで。ー第二楽章ー【ヘタリア】

61曲目。 ページ27

イヴァンside



















？「失礼する。兄さんは居るだろうか？」


放課後の音楽室。皆で仲良くしていて背後から聞こえた声。



その声を聞いた瞬間、背筋がゾッとした。どこか悪寒を感じたんだ。















その声の主は紛れもない、僕の妹＿ナターリアだ。美人さんなんだよ。でもね、ちょっと…。



ナターリアに気づかれないようにそっとアルフレッド君の後ろに隠れる。














米「イヴァン、どうしたんだい？」

いつも通りの大きな声で僕に問う。そんな大きな声だとバレちゃうよ…。







露「良いから、黙っててよっ…！」

















辺「ああ、兄さん！そこに居たのですね！」




露「ヒェッ…な、ナターリア…何しに来たの？」


辺「何って…部活見学ですが？兄さんのお姿を近くで見ていたくて…」




目を輝かせるナターリアにどこか悪寒を覚える。いけない事って分かっているのに。

















ちら、と僕は横目で姉さんを見た。姉さんはニコニコと笑ってこっちを見ている。

姉さんには、仲のいい兄妹に見えてるのか。微笑ましいのかな、僕らって。









仲が良いのか、って聞かれたら何で答えれば良いのか分からない。

昔は、仲が良かったのかもしれない。仲が特別悪いって訳じゃない。



ナターリアは僕に熱い視線を送っている。それは分かってるんだ。でも、いつからだったんだろ…。















妹の視線から逃げるように、僕は目を逸らした。そしてそっと、昔のことを思い出していた。



いつから、いつから…僕らは変わったのか、と。

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