あの音を掴んで。【ヘタリア】

38曲目。 ページ47

A視点



















家に向かう途中。3人で暗い道を歩いていた。








米「そういえばAって一人暮らしだったんだな」


いきなりアルがそんなこと聞くもんだから驚いた。











『え？あ、まぁ…元々創音に転校してくる前は普通に別の場所だったけどね。

私には兄がいてね、お兄ちゃんが住んでた家なんだよ、今私が住んでる所。




お兄ちゃんがアメリカに留学するっていうから、家を譲り受けて…お金は実家からだけどね』
















加「色々大変ですね…」

『大変だけどさ、それが私の“普通”なの。他の“普通”を私は知らない…』






空気が重くなりそうだから、私の過去の話はしないようにした。


重い空気のままリハーサルに臨むのは嫌だった。



















私を挟んで歩く2人の手にはトランペットとバストロンボーンが握られている。




もちろん私の手にはフルートが。












米「持って帰るのはいいけど、練習できるのかい…？」


加「僕も少し不安なところが…」







『防音室あるから、そこで練習しよ？』



















〜自宅〜








米「広いなぁ!」

自分の家に誰かを招いたのは初めてで、“広い”と言われたのも初めてだった為、少し照れてしまった。








加「ふふ、Aさん照れてるんですか？」

『て、照れてないし…！』






米「照れてるんだぞ…」
そう言ったアルが私の頭を撫でた。

















『あー、もう！練習しようよ。あ、着替えはお兄ちゃんが使ってたやつでよければ』





米「OK！」


加「防音室はここですね」









防音室で三つの音が重なり、響く。















これのおかげで明日への自信がついた。

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