あの音を掴んで。【ヘタリア】

1曲目。 ページ3

A視点



















『失礼します』







そう言って扉を開けた瞬間、
？「またかよ…おい、合唱部の部室はここじゃねーぞ」



という鋭い声が飛んだ。

慌てて声の主を探すと、トランペットを抱え、眉毛が太め、少しボサボサの金髪で翠色の目をした、男子生徒の姿が目に映る。






ここは合唱で有名な学園。だから彼は私のことを合唱部に入部したい生徒だと思ったのだろう。
















『違います！』



？「何が違うんだ？」
若干の圧を出してくる。正直言って怖い。でも！









『私は吹部に入部したいんです！』

？「へぇ？理由は？」





『前の学校で、吹奏楽でフルート、やってて。子供の頃にここの演奏を見て、憧れたんです。

フルートを続けたいってのもあるんですけど、やっぱり憧れの学園でやりたいんです、吹奏楽を！』










？「ねぇ、アーサー。この子の熱意認めてあげなよ。お兄さん感動しちゃった！」

そう言ったのは長めの金髪で碧色の目をした大人っぽい生徒。それにさっきの眉毛が太い人はアーサーというらしい。
















英「…フランシスの言う通りだな。お前の熱意に負けたよ、ホレ」

初対面でお前呼びなんだ…w




「ホレ」と渡されたのは紙。何を渡されたのか理解できず思わず、











『何ですか、これ…』
と聞いた私は馬鹿だと思う。

どっからどう見ても入部届だろ！と突っ込まれたのは言うまでもない。







『私、Aって言います！フルートをやりたいと思ってます。今日からお願いします！』


晴れて吹奏楽部の一員になることができた、9月の初め。

せってー！→←序奏。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す