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「ひとまずグルッペンの判断を待つんや」
トントンはそう言ってグルッペンを一瞥した。グルッペンは悩む素振りを見せつつもすでに決まっていたであろう提案をした。
「フギィス様、手をあげてしまい申し訳ございません」
「そして、あなた様」
「あなた公爵令嬢様やろ」
「……あなた、公爵令嬢様。先程の無礼をお許しください」
許しの意味で頷いた。タリアが歯を食いしばって謝罪をしてくれたのだから今回はこれくらいにして会場を後にしたいという意味でもある。
納得のいってなさそうなシャオロンに一礼、そしてグルッペンに向けて一礼し外に出た。
「な、なあ……」
声がする方に体を向けるとそこにはゾムがいた。目には少し涙を溜めているように見え、私のほうに伸びる手は細かに震えていた。
「いっ、痛くないん？顎とかに血ィ垂れとるよ……」
口も切れとるし、と顎の血を掬い取りそれを自分の口へと運ぶゾムの意外な行動を目にしながらも、やっぱりこの人は優しいのだと確信した。
ゾムはゲームの中では見た目とは裏腹に優しく繊細な心の持ち主だ。心を開いてもらえれば溺愛ルートに辿り着くことができるほどに。
その優しさを私に向けてくれるのなら口いっぱいになった血を吐き出す時間を与えてほしい。
目で訴えているとそれを察したのかゾムはこれね、と口をトントンと指で指した。犬のしっぽのように首を縦に振ると両肩を掴まれた。
「………………？」
「目瞑っててもええよ」
ゾムが何をするのか汲み取れずいると、次の瞬間翡翠の瞳が目いっぱいに広がった。
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クリーパソ(プロフ) - 田中さん» そう言っていただけると励みになります✨ありがとうございます🥺 (11月26日 21時) (
レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 本当に面白くて好きです (11月26日 17時) (レス) @page36 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
クリーパソ(プロフ) - 月見酒さん» コメントありがとうございます🙇♀️登場人物の多い小説は慣れていないので楽しんで読んでもらえるのはとても嬉しいです🥲✨無理ない程度に更新していきます💪 (10月30日 7時) (レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
月見酒(プロフ) - コメント失礼します！面白くてすごく続きが気になります！お体に気をつけて頑張ってください！ (10月29日 20時) (レス) @page15 id: d4a0fc9775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年10月26日 21時
