ドレスを身に纏っただけ ページ40
一難去ってまた一難とはまさにこの事だと思う。私を視界に入れた瞬間騒ぎ出すヒロインに思わず溜息が出るほどこの状況は馬鹿げている。
「あなた様が私のドレスを真似したわ！」
その一言だけで周りの人を動かせるのはヒロインであるタリア特有の能力なのだろうか。羨ましくも自分の愚かさに気づけない彼女に同情する。
確かに色も形も装飾も似ているがタリアを見下している公爵家の私が真似する理由なんて見つかるわけがない。そのためこの発言はとても馬鹿馬鹿しいのだが攻略対象達にとっては私を殺す理由が見つかったのだろう。明らかに向けられる視線が痛い。
「タリアの真似をすれば自分も好かれると思ったんか？」
パステルブルーの瞳にグルッペンよりも明るく短い金髪を揺らし敵意をむき出しにして現れた私の事嫌いすぎ四天王の一人、フースバル・コネシマ。
殺される覚悟で誤解を解かなければ状況は進まないと判断し、参考にもならない選択肢を一応見ることにした。
A、あの子が真似をしたのよ！
B、私があんなのを真似するわけないじゃない！
C、私は好きな色のドレスを着ただけです
前より役立たずさが増したのは気のせい？
どう言おうか言葉に悩んでいると追い打ちをかけるようにタリアが一言。
「紫色のドレスも似合う私を見て真似したんですよね？あなた様は真似するだけの財はありますもの」
その言葉にひくっ、と頬が引き攣った。一度、死ぬつもりでタリアの可愛らしい顔面を殴ろうと思ったその時だった。
「俺が選んだドレスは模倣品呼ばわりされるんだな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 407人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クリーパソ(プロフ) - 田中さん» そう言っていただけると励みになります✨ありがとうございます🥺 (11月26日 21時) (
レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 本当に面白くて好きです (11月26日 17時) (レス) @page36 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
クリーパソ(プロフ) - 月見酒さん» コメントありがとうございます🙇♀️登場人物の多い小説は慣れていないので楽しんで読んでもらえるのはとても嬉しいです🥲✨無理ない程度に更新していきます💪 (10月30日 7時) (レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
月見酒(プロフ) - コメント失礼します！面白くてすごく続きが気になります！お体に気をつけて頑張ってください！ (10月29日 20時) (レス) @page15 id: d4a0fc9775 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年10月26日 21時
