瞳に映らない彼 ページ26
「なあオスマンと婚約破棄したんやし俺と婚約しようや」
「えっ」
身動きが取れないほどに、まるで逃がさないと言わんばかりにより一層私を抱きしめる力が強くなった。シャオロンから漏れる吐息が耳を擽るくらいに距離は近い。
「俺はあなたのことが好きであなたも俺のこと好きやろ？だから婚約破棄受け入れたんやろ？じゃなきゃおかしいやん」
私に言うその言葉は自分に言い聞かせているように聴こえた。私はこれを受け入れるか否か、たった一つのことで自身の安泰が決まる。
A、そうね。私もシャオロンが好きよ
B、オスマンが好きなの。諦めて
C、グルッペンが忘れられないの
なにこの死亡フラグまんまんの選択肢は。このゲームは意地でも
「まだそんな焦るようなことじゃないでしょ……？もっとお互いのことを知ってから婚約しましょう」
ダメかしら？と鈴のような細い声で優しく抱き返す。それに満足したのかシャオロンは離れ子供のように無邪気に返事をした。
少し危険思想な持ち主だが上手く扱うことができれば一番安全な人物だ。私に向けられる澄んだレモンイエローの瞳はひどく心に刺さる。利用しているのは少々心苦しいが生きるため、そう思い込んでいかないとこの世界では生きていけない。
「あなた！体調もう大丈夫なら散歩行こうや！」
その純粋無垢な一言もこんな私に向けないでほしい。
目の前に差し出されたシャオロンの大きくも細い手を握ろうとした時だった。
「あなたはいるか？」
記憶に残るあの声が聞こえたのは。
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クリーパソ(プロフ) - 田中さん» そう言っていただけると励みになります✨ありがとうございます🥺 (11月26日 21時) (
レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 本当に面白くて好きです (11月26日 17時) (レス) @page36 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
クリーパソ(プロフ) - 月見酒さん» コメントありがとうございます🙇♀️登場人物の多い小説は慣れていないので楽しんで読んでもらえるのはとても嬉しいです🥲✨無理ない程度に更新していきます💪 (10月30日 7時) (レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
月見酒(プロフ) - コメント失礼します！面白くてすごく続きが気になります！お体に気をつけて頑張ってください！ (10月29日 20時) (レス) @page15 id: d4a0fc9775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年10月26日 21時
