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「あ！貴方また会ったわね！」
「……グルッペンだ」
「グルッペン！あの時どうして急にいなくなったの？私は、その……結構本気で」
「はっ、冗談に決まってるだろう。庶民では当たり前のことだ、覚えておけ」
そう言って少年は一蹴した。
そうなのね、と顔を俯かせ少し悲しげな表情を少女は浮かべた。その姿に情でも湧いたのか彼は黙って彼女の手を握りある場所を目指して歩き始めた。質問を投げかける彼女の言葉をことごとこく無視し小さな湖に辿り着いた。
「綺麗な場所ね。ここもO帝国のものなんて初めて知ったわ」
「ここはO帝国ではないぞ」
えっ、と素っ頓狂な声をあげる少女に対してクツクツと少年は笑い、F帝国に興味があっただろう？と彼女に投げかけた。彼は以前彼女が何気なく言ったその一言を忘れずに、ただ彼女の喜ぶ顔が見たいがためにこの湖に訪れたのだ。自分は嫌というほど見てきたこの湖も彼女となら綺麗と錯覚できるほどこの瞬間を楽しんでいた。しかしそのムードを壊したのは他でもない貴族だった。
「なんやお前ら」
今にも首元に噛みついてきそうな勢いの彼に物怖じせず少女は優しく笑いかけた。
「私はあなた。こっちはグルッペン。ねぇ、一緒に遊びましょ」
「……あんたらもどうせ俺の事を悪く言うんやろ」
その言葉に否定をしようとする少女に少年は状況が理解できずにいた。
「なにかあったのか？」
「そっか、グルッペンはこの子のこと知らないのか」
「俺は庶民だゾ。知るわけないだろう」
「えーっとじゃあ、まずはこの子の紹介からするね」
「ちょっと待ってや、あんたシックザール家のお嬢様やないの？なんで庶民なんかと……」
黄土色の髪を揺らしながら、ありえないと言いたげな顔を少女に向けた。そう、貴族は庶民とは関りを持たない。厳密に言うと関りなんてものは持ちたがらないのだ。会うだけで品位が下がってしまう、そんな象徴をつけられている庶民なんかと親しくしている彼女に貴族の彼は驚きを隠せなかった。そんな彼をよそに彼女は自慢をするかのように、グルッペンは他とは違うのよと胸を張った。
「そんな誇らしげに言うことやないやろ…。あと早く俺にその貴族のことを教えてくれ」
「ごめんなさい、つい……。改めて、この子はトイフェル伯爵家の一人息子シャオロン。二年前に士爵から伯爵になった貴族よ」
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クリーパソ(プロフ) - 田中さん» そう言っていただけると励みになります✨ありがとうございます🥺 (11月26日 21時) (
レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 本当に面白くて好きです (11月26日 17時) (レス) @page36 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
クリーパソ(プロフ) - 月見酒さん» コメントありがとうございます🙇♀️登場人物の多い小説は慣れていないので楽しんで読んでもらえるのはとても嬉しいです🥲✨無理ない程度に更新していきます💪 (10月30日 7時) (レス) id: f7b2af521d (このIDを非表示/違反報告)
月見酒(プロフ) - コメント失礼します！面白くてすごく続きが気になります！お体に気をつけて頑張ってください！ (10月29日 20時) (レス) @page15 id: d4a0fc9775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年10月26日 21時
