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『3年前』
｢だいせんせ〜…！｣
｢ちょ、ゾムどうしたん！？｣
家のチャイムがなり誰かと扉を開けた鬱島の前には綺麗な顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにした希がいた。
まだ暑さを忘れさせてはくれない季節。
熱中症になっても困るので鬱島は希を家に入れた。
冷蔵庫から冷たい麦茶をとりコップを持って、希がいる自分の部屋に鬱島は向かった。
｢ゾム落ち着いたか？｣
｢おん…｣
｢なにがあってん｣
ちびちびと麦茶を飲む希の背中をさすりながら言った。
ふぅと息を吐いた希はぽつりぽつりと話し始めた。
｢好きな子がおってん｣
｢ほうほう。それで？｣
｢その子に今日告白されたんよ｣
｢えぇ？！｣
めっちゃええ話やんと鬱島は驚きながら希の背中をポンポンと叩いた。
だがそれとは裏腹に暗いままの希。
｢…あれか、やっぱなしでとかそういう系やったか？｣
｢…ちゃう｣
頭にはてなマークが大量に浮かぶ鬱島。
それを見て覚悟を決めた希。
｢俺、フッた｣
｢は、えなんてもっかい｣
｢好きな子に告白されてフッた｣
｢はあ！？ついに頭おかしなったんか！？｣
またとないチャンスを棒に振ってしまった希の行動に理解がイマイチ追いつかない様子の鬱島。
それを見た希はまたゆっくりと口を開いた。
｢…理由があんねん｣
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作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年3月25日 17時
