【d!】拗らせ系幼馴染とたらし系先輩 (ページ5)

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そぉーと壁から顔を覗かせるあなた。
彼女は目を見開いた。男の方に見覚えがあったのだ。
"鬱島大"女の敵やたらしの代名詞になりつつある彼はこの学校では有名な人の1人に入る。
彼の噂は他の学校でも広まるくらいのクズだ。

だがそんな彼も女子の中ではいい噂も流れている。
彼は可愛い女にしか告白はせず、実際彼の元彼女は全員可愛い。
つまり彼に告白される=一般的に見ても可愛い子というステータスを得られるのだ。

告白はされたいが、関わりたくないはないなと心の声を漏らしながら見ていると、ばちっと目が合った。男の方だ。

｢あ！｣

｢え｣

嬉々としてあなたに近づき、がしっと逃がさないと言わんばかりに彼女の肩を掴んだ。

｢こんなところにいただなんて、まったく恥ずかしがり屋だなぁ。朝に会おうねって言ったのに｣

｢は？！なんでわたしっ｣

｢じゃ、そういうことで今日限りで君とはバイバイや。俺は今この子がいるんでね｣

あなたがうるさそうな女だと察した鬱島は彼女の口を塞ぎ駆け足で2階に上がった。

｢いやぁ、巻き込んでごめんな。君可愛いからちょうどよかったんや｣

｢…意味わからない｣

｢あとでちゃんとお礼するからまたな。はよ戻らんと朝のSHR間に合わんで？｣

｢あ｣

勝手に巻き込み、話を進める目の前の男に苛立ちを覚えつつ、憎悪たっぷりのありがとうございますを彼に投げた。