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｢後悔しててん、ずっと｣
｢信じてもらえへんかもしれんけど、俺あのときあなたに告白されてすっごい嬉しかった｣
｢でも動揺でしばらく黙ってもうて、我に返ってなにか言わな思った。そしたら焦りすぎてあなたを傷つけることになった｣
｢言い訳にしか聞こえんよな｣
無理しているのが一目でわかる、くしゃりとした笑いを向ける彼。
この表情は昔から見てきた、嘘は一切ついていない。
彼女のなにかがそう言っていた。
｢許してくれなんて思わん。言い終わったら殴ってくれて構わん。ただこれだけ言わせてくれ｣
ふうと一呼吸。
｢ごめんなさい｣
上がることのない彼の顔。
普段の彼からは想像できないほどに、彼の誠実さを彼女は感じた。
｢顔上げて｣
その言葉に申し訳程度にあがる彼の顔。
その頬をガシッと掴み無理やり目を合わせた。
ぐらぐらと揺れる彼の瞳。
｢本当のこと教えてくれてありがとう。殴ったりなんかもしないよ｣
遠回しに仲直りを告げた彼女。
当初の目的を気にしなくてもいいほどに心が軽くなった感覚が彼女を包んだ。
｢嫌いじゃないよゾムのこと。大切な幼馴染だもん｣
ふわりと彼女は笑った。
一転、彼女の視界が黒で埋め尽くされた。
｢ﾂ…ほんまに？｣
｢うん｣
ずずっと鼻をすする音が彼女の耳に入った。
泣き顔を見られるのが嫌でよく顔を隠すのが彼の癖。
そしていつもケンカをしたらハグをして仲直りをする。
昔から変わらない、いつも通りに彼女は彼の背中をさすった。
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作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年3月25日 17時
